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就労継続支援A型・B型とは?就労移行・定着支援との決定的な違いと給料(工賃)データを徹底解説

就労継続支援A型・B型とは?就労移行・定着支援との決定的な違いと給料(工賃)データを徹底解説

障害や難病を抱えながら「働きたい」と考えたとき、選択肢として浮かぶのが「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」などの障害福祉サービスです。しかし、初めてこれらのサービスを利用しようとする際、「A型とB型は何が違うの?」「就労移行支援や就労定着支援という言葉もあるけれど、自分にはどれが合っているのだろう?」と悩む方は非常に多いです。

これらのサービスは、それぞれ目的や対象者、賃金(工賃)の仕組みが明確に異なります。自分自身の体調や「将来どのように働きたいか」という目標に合わせて正しいサービスを選ぶことは、長く無理なく働き続けるための第一歩となります。

本記事では、就労継続支援A型・B型の基本的な仕組みから、厚生労働省の最新データに基づく平均給料(工賃)の実態、そして就労移行支援・就労定着支援との違いまでを網羅的に解説します。この記事を読むことで、ご自身やご家族にとって最適な就労支援サービスが明確にわかるようになります。

1. 障害福祉サービスにおける「就労支援」の全体像

障害のある方が「働くこと」をサポートする障害福祉サービス(就労系サービス)には、主に4つの種類が存在します。それが「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」「就労移行支援」「就労定着支援」です。

これらは単に名前が違うだけでなく、「今の自分の状態(フェーズ)」に合わせて使い分けるものです。例えば、今すぐ一般企業で働くのが不安な方がステップアップとして利用するものから、就職した後の生活基盤を整えるためのものまで、役割が細分化されています。まずは「働く場所を提供するサービス(A型・B型)」と、「一般企業で働くための訓練・サポートをするサービス(移行・定着)」という大きな2つの枠組みがあることを理解しておきましょう。

2. 就労継続支援A型とは?特徴と賃金データ

就労継続支援A型(通称:A型事業所)は、一般企業での就労が難しいものの、一定の支援があれば「雇用契約」を結んで継続的に働くことができる方を対象としたサービスです。

最大の特徴は、事業所と利用者が雇用契約を結ぶ点にあります。雇用契約を結ぶため、労働基準法などの労働関係法令が適用されます。これにより、各都道府県が定める「最低賃金」が必ず保障されるのが大きなメリットです。社会保険の加入条件を満たせば、各種保険にも加入することになります。ある程度決まった時間、安定して働く体力が求められますが、その分自立に向けた収入を得やすい環境と言えます。

対象となる人

就労継続支援A型の対象となるのは、原則として18歳以上65歳未満の方です。特別支援学校を卒業して就職活動を行ったものの一般企業での雇用に結びつかなかった方や、過去に一般企業で働いていた経験があるものの、体調を崩して離職し、現在は雇用されることが困難な方などが主な対象となります。

A型の平均給料(賃金)データ

雇用契約を結ぶため、一般的なアルバイトやパートに近い収入を得ることが可能です。厚生労働省が発表している令和3年度のデータをもとに、A型事業所で働く方の平均賃金を見てみましょう。

項目就労継続支援A型の平均額
月額平均賃金83,551円
時間額平均賃金944円

※参考:厚生労働省「令和3年度工賃(賃金)の実績について」より抜粋

このように、月額で8万円以上の収入を得ているのが全国的な平均です。週に数日、1日4〜5時間程度の勤務を行うケースが多く、最低賃金が適用されるため時間額も高い水準で推移しています。

3. 就労継続支援B型とは?特徴と工賃データ

就労継続支援B型(通称:B型事業所)は、年齢や体力などの面で雇用契約を結んで働くことが困難な方に対し、働く場所や日中活動の場を提供するサービスです。

A型との最も大きな違いは「雇用契約を結ばない」という点です。雇用契約がないため、労働基準法の適用外となり、最低賃金の保障もありません。その代わりに支払われる報酬は「給料」ではなく「工賃(こうちん)」と呼ばれます。 雇用契約に縛られないため、週1日・短時間からの利用や、体調の波に合わせて通所日を柔軟に調整できる事業所が多いのが特徴です。無理なく自分のペースで社会参加を果たしたい方にとって、非常に重要な受け皿となっています。

対象となる人

B型の対象者に年齢制限は設けられていません。50代以降から利用を始める方や、就労経験が一度もない方、あるいは就労移行支援やA型事業所を利用した結果、体力面などで継続が難しかった方などが対象となります。障害基礎年金を受給しながら、プラスアルファの収入と社会との繋がりを求めて通所される方が多い傾向にあります。

B型の平均給料(工賃)データ

最低賃金が適用されないため、作業内容や事業所の利益によって工賃は大きく変動します。軽作業(シール貼りや袋詰め)、農作業、パンや手芸品の製造・販売など、事業所によって多種多様な作業が用意されています。

項目就労継続支援B型の平均額
月額平均工賃16,507円
時間額平均工賃233円

※参考:厚生労働省「令和3年度工賃(賃金)の実績について」より抜粋

月額平均は1万6千円前後となっており、A型と比較すると収入面での差は大きくなります。しかし、近年では国を挙げて「工賃向上計画」が推進されており、ITスキル(パソコン入力やWebデザイン等)を活かして月額5万円以上の高工賃を実現している特化型のB型事業所も増加しています。

4. ズバリ!A型とB型の決定的な「5つの違い」比較表

ここまで解説したA型とB型の違いを、一目でわかるように表にまとめました。ご自身の現在の体調や目的に照らし合わせて、どちらが適しているかを確認してみてください。

比較ポイント就労継続支援A型就労継続支援B型
雇用契約結ぶ結ばない
給料の呼び方賃金(給与)工賃
最低賃金の保障あり(労働基準法適用)なし
月額平均収入目安約83,000円約16,000円
年齢制限原則18歳以上〜65歳未満なし
働き方のペースシフト制で安定した通所が必要体調に合わせて柔軟に通所可能

安定した収入と雇用形態を求めるならA型、体調管理を最優先し、まずは自分のペースで働く習慣を身につけたいならB型、という基準で選ぶのが一般的です。

5. 就労移行支援・就労定着支援との違い

A型・B型が「事業所で働く(仕事をする)こと」自体を目的としているのに対し、「就労移行支援」と「就労定着支援」は、一般企業(障害者雇用を含む)で働くための「サポート・訓練」に特化したサービスです。

就労移行支援(一般企業への就職を目指す)

就労移行支援は、一般企業への就職を希望する障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキルを身につけるための訓練を行うサービスです。 原則として最長2年間という利用期間の制限があります。事業所内でのパソコントレーニングやビジネスマナー講座の受講、履歴書の添削、模擬面接、さらには実際の企業での職場実習などを通じて就職活動をサポートします。あくまで「訓練」の場であるため、原則として賃金や工賃は発生しません(一部、実習等で工賃が発生する事業所もあります)。

就労定着支援(就職後の「働き続ける」を支える)

就労定着支援は、就労移行支援などを経て一般企業に就職した方が、その後も長く働き続けられるようにサポートするサービスです。 就職すると、職場の人間関係の悩みや、生活リズムの乱れ、金銭管理の課題など、さまざまな環境変化が起きます。これらの悩みに対し、支援員が企業とご本人の間に入って面談を行ったり、生活面での助言を行ったりします。利用期間は最長3年間(1年ごとの更新)となっています。

4つのサービスの目的別・段階比較表

就労系障害福祉サービスの4つを「フェーズ(段階)」と「目的」で比較すると以下のようになります。

サービス名主な目的・ゴール期間の制限賃金・工賃
就労継続支援B型自分のペースで働く習慣をつける、居場所作りなしあり(工賃・安め)
就労継続支援A型支援を受けながら雇用契約を結び、安定して稼ぐなし※原則65歳まであり(最低賃金以上)
就労移行支援一般企業への就職に向けたスキルアップと就活準備あり(最長2年)原則なし
就労定着支援一般就労後の職場定着、生活課題の解決サポートあり(最長3年)(企業から給料を得る)

このように、最終的に一般企業で働きたいのか、福祉的就労の枠組みの中で安定して働きたいのかによって、選ぶべきサービスは全く異なります。

6. 【データで見る】就労支援サービス利用者数の推移

近年、精神疾患や発達障害の認知度の高まりに伴い、障害福祉サービスを利用して働く方は急増しています。社会参加の形が多様化していることが、以下のデータからも読み取れます。

【就労系サービスの利用者数推移データ】 ※厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」より概算データをグラフ化(単位:万人)

年度就労継続支援A型就労継続支援B型就労移行支援
平成26年度4.4万人20.3万人3.0万人
平成30年度7.1万人25.0万人3.4万人
令和3年度7.4万人28.6万人3.3万人

上記のデータ推移表から明らかなように、すべてのサービスにおいて利用者数は右肩上がりで増加しています。特に就労継続支援B型の伸び幅は著しく、多様な障害特性を持つ方々にとっての「地域における受け皿」として不可欠な存在になっていることがわかります。また、近年はテレワーク(在宅就労)を導入するA型・B型事業所も増えており、通勤の負担なく働ける環境整備が進んでいることも利用者増加の背景にあります。

7. 自分に合ったサービスの選び方とステップ

ここまでお読みいただき、各サービスの違いはご理解いただけたかと思います。最後に、自分がどのサービスを選ぶべきかの目安となるステップを紹介します。

まずは「週に数日、決まった時間に家を出て通所(または在宅ワーク)する体力が安定しているか」をご自身の胸に問いかけてみてください。 体調に波があり、週1〜2日程度から無理なく始めたい場合は、迷わず「就労継続支援B型」がおすすめです。焦らず日中活動の場を持つことからスタートしましょう。

次に、「最終的な目標は一般企業への就職か、それとも福祉のサポートを受けながら長期間働きたいか」を考えます。 一般企業へ早期に就職したいという明確な意思があり、そのための学習や訓練に集中したい方は「就労移行支援」が適しています。 一方で、「一般就労はまだ不安があるけれど、しっかりと仕事をして最低賃金以上の収入を得たい」という方は「就労継続支援A型」を目指すのが良いでしょう。

いずれの場合も、まずは市区町村の障害福祉担当窓口や、お住まいの地域にある「障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)」、通院しているクリニックのソーシャルワーカーに相談し、見学や体験利用を通して実際の雰囲気を確認することが最も重要です。

8. まとめ

就労継続支援A型とB型、そして就労移行支援・就労定着支援は、それぞれ全く異なる役割を持った就労支援サービスです。

雇用契約を結んで最低賃金が保障される「A型」、体調優先で柔軟に働きながら工賃を得る「B型」、一般企業への就職を目指して訓練に励む「就労移行支援」、就職後の生活基盤を安定させる「就労定着支援」。これらはどれが優れているというものではなく、ご自身の現在の体調や将来のキャリアプランによって適切なフェーズを選択するものです。

まずはご自身の体調と相談しながら、行政窓口や支援機関のサポートを活用し、複数の事業所を見学してみてください。適切な支援を受けることで、「働く喜び」や「社会との繋がり」を確かなものにしていくことができるはずです。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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