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【損しない退職日の決め方】月末退職と月中退職の違いとは?社会保険料・賞与への影響を徹底解説

【損しない退職日の決め方】月末退職と月中退職の違いとは?社会保険料・賞与への影響を徹底解説

退職を決意した際、「退職日をいつにするか」で悩む方は非常に多くいらっしゃいます。なんとなくキリが良いからという理由で「月末」を選ぶ方や、有給消化が終わるタイミングで「月中」を選ぶ方などさまざまですが、実はこの「退職日が月末か月中(月末の1日前を含む)か」によって、手取り額や支払う税金・保険料が大きく変わるのをご存知でしょうか。

退職日は、単なる「会社を辞める日」ではありません。社会保険料(健康保険・厚生年金)が給与から天引きされる金額や、賞与(ボーナス)を受け取れるかどうかを左右する重要な分岐点です。知識がないまま退職日を決めてしまうと、後から「数万円単位で損をしてしまった……」と後悔することになりかねません。

本記事では、月末退職と月中退職の具体的な違いから、社会保険料・賞与への影響、さらには状況別の「おすすめの退職日」までを網羅的に解説します。これから退職の手続きを進める方は、ぜひご自身の状況と照らし合わせながら最適な退職日を見つけてください。

1. 月末退職と月中退職の最大の違いは「社会保険料」の扱い

退職日を月末にするか、あるいは月中(月末以外のすべての日)にするかで生じる最も大きな違いは、「退職した月の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が給与から引かれるかどうか」です。

日本の社会保険制度では、社会保険料が発生する基準が「月末時点にその会社の社会保険の資格を持っているかどうか」で判断されます。専門用語で言うと、社会保険の「資格喪失日」は「退職日の翌日」となります。

月末(例:10月31日)に退職した場合

資格喪失日は「11月1日」になります。つまり、10月の末日時点ではまだ会社の社会保険に加入している状態となるため、10月分の社会保険料が最後の給与から天引きされます。

月中や月末の1日前(例:10月15日や10月30日)に退職した場合

10月30日に退職した場合、資格喪失日は「10月31日」になります。10月の末日時点では会社の社会保険資格を喪失しているため、10月分の社会保険料は給与から天引きされません。

これだけを聞くと「給与から天引きされない月中退職の方がお得だ」と感じるかもしれませんが、決してそうではありません。会社の社会保険を抜けた月の分は、ご自身で「国民健康保険」および「国民年金」に加入して全額を自己負担で支払うか、会社の保険を「任意継続」して全額負担で支払う必要があります。会社の社会保険は企業が保険料の半分を負担してくれる「労使折半」という仕組みがあるため、多くの場合、月末退職にして会社に半分負担してもらった方がトータルの出費は抑えられます。

2. 【比較表】退職日による社会保険料・年金の違い

視覚的にわかりやすくするため、10月に退職した場合を例に、社会保険料の扱いの違いを表にまとめました。

項目月末退職(10月31日退職)月中退職(10月30日以前の退職)
資格喪失日11月1日退職日の翌日(10月31日以前)
退職月の社会保険料
(給与天引き)
引かれる(会社と労使折半で半額負担)引かれない(給与の手取りは増える)
退職月以降の保険・年金
(自身での手続き)
11月分から国民健康保険・国民年金等へ切り替え10月分から国民健康保険・国民年金等へ切り替えが必要
保険料の負担割合退職月までは会社が半額負担してくれる退職月分から全額自己負担となる

このように、給与明細上の手取り額だけで判断するのではなく、その後に発生する国民健康保険等の支払いまでを含めたトータルの支出で考えることが重要です。

3. 賞与(ボーナス)への影響:退職日を間違えると支給されない?

社会保険料と同じくらい重要なのが、賞与(ボーナス)への影響です。賞与の支給を目前に控えて退職を検討している場合は、退職日の設定に細心の注意を払う必要があります。

賞与は法律で支給が義務付けられているものではないため、支給条件は各企業の「就業規則」や「賃金規程」によって異なります。ここで最も注意すべきなのが「支給日在籍要件」と呼ばれるルールの存在です。

支給日在籍要件とは、「賞与の支給日当日に会社に在籍している者にのみ賞与を支給する」という規定です。日本の企業の多くがこの規定を設けています。

例えば、賞与の支給日が「12月10日」の会社だとします。

もし退職日を「11月30日(月末退職)」や「12月5日(月中退職)」に設定してしまうと、支給日である12月10日には会社に在籍していないため、これまでの評価期間でどれだけ素晴らしい成果を出していたとしても、賞与は1円も支給されません。

この場合、満額の賞与を受け取るためには、退職日を「12月10日以降」に設定する必要があります。

また、賞与の「査定期間(評価対象となる期間)」にも注意が必要です。支給日在籍要件を満たしていても、査定期間を満了していない場合や、退職予定者に対しては賞与を減額するという規定を設けている会社もあります。退職日を決める前に、必ず自社の就業規則を確認し、人事部や労務担当者に確認をとることを強くおすすめします。

4. 忘れがちな「住民税」への影響と徴収方法の違い

退職に伴う税金で、社会保険料の次に家計へ影響を与えるのが「住民税」です。住民税は前年の所得に対して課税され、会社員の場合は毎月の給与から天引き(特別徴収)されています。退職すると給与天引きができなくなるため、自身で納付する「普通徴収」に切り替わりますが、退職する月によって手続きや最後の給与からの引かれ方が大きく異なります。

退職日が「1月1日〜5月31日」の場合、法律により、退職月からその年の5月までに納めるべき住民税の残額が、最後の給与(または退職金)から一括で天引きされます。そのため、最後の給与の手取りが想像以上に少なくなってしまい、驚くケースが多発します。

一方、退職日が「6月1日〜12月31日」の場合は、原則として退職した月の分だけが給与から天引きされ、残りの分は後日送られてくる納付書を使って自分で支払うことになります(希望すれば一括天引きも可能です)。

これは月末退職でも月中退職でも基本的なルールは同じですが、前述の社会保険料と合わさることで「最後の給与の額面」に多大な影響を与えます。退職後の生活費の計画を立てる上でも、住民税がどのように徴収されるのかを把握しておくことは不可欠です。

5. 「月末退職」を選ぶメリット・デメリット

ここまで解説した制度を踏まえ、まずは「月末退職」を選ぶメリットとデメリットを整理します。

メリット

最大のメリットは、退職した月の社会保険料を会社が半分負担(労使折半)してくれる点です。退職月の末日まで在籍することで、その月の国民健康保険料・国民年金保険料を全額自己負担で支払う必要がなくなります。また、次の転職先へ翌月の1日付けで入社する場合、社会保険の空白期間が生まれず、面倒な切り替え手続きが一切不要になることも大きな魅力です。企業側にとっても、月末締めの会社が多いため給与計算がしやすく、円満な退職処理が進みやすいという側面があります。

デメリット

会社によっては、退職月の給与から「前月分」と「当月分」の2ヶ月分の社会保険料がまとめて引かれるケースがあります。これは社会保険料の徴収が「翌月徴収(10月分の保険料を11月の給与から引く)」となっている企業が多いためです。月末退職の場合、最終給与で精算が行われるため手取り額がガクッと減ったように見えてしまうことが精神的なデメリットと言えます(ただし、トータルで損をしているわけではありません)。

6. 「月中退職」を選ぶメリット・デメリット

続いて、「月中退職(月末の1日前を含む)」を選ぶ場合のメリット・デメリットです。

メリット

退職した月の社会保険料が給与から天引きされないため、最後の給与明細上の手取り額は多くなります。また、「有給休暇をすべて消化したら中途半端な日付になってしまった」という場合、無理に月末まで在籍期間を延ばさず、すっきりと月中退職を選ぶことで、次の転職先への入社日を柔軟に調整できたり、ゆっくり休養する期間を確保しやすくなったりします。

デメリット

退職月の社会保険料が引かれない代わりに、退職したその月からすぐに「国民健康保険」および「国民年金」へ加入する手続きを自分で行わなければなりません。そして、これらは「全額自己負担」となります。前年の収入が高い方の場合、国民健康保険料は非常に高額になる傾向があり、会社が半分負担してくれる社会保険よりもトータルの支払額が大きくなって「損」をしてしまうケースがほとんどです。また、家族を扶養に入れている場合、家族全員が国民健康保険に切り替わることになり、世帯全体の保険料負担が一気に跳ね上がるリスクもあります。

7. 【状況別】あなたにおすすめの退職日はどっち?

月末と月中、どちらが良いかは「退職後の進路」によって明確に分かれます。ご自身の状況に合わせて最適な方を選びましょう。

パターンA:退職の翌日(翌月1日)から新しい会社で働く場合

【結論】圧倒的に「月末退職」がおすすめです。

例えば、10月31日に退職し、11月1日に新しい会社に入社する場合です。この場合、10月分までは前職の会社で社会保険に加入し、11月分からは新しい会社で社会保険に加入することになります。国民健康保険や国民年金への切り替え手続きが一切不要で、保険料も常に労使折半となるため、金銭的にも手続き的にも最もムダがありません。

パターンB:退職後、しばらく休養する(無職になる)場合

【結論】原則として「月末退職」の方が金銭的な負担は少なくなります。

退職後にブランクがある場合、どの道ご自身で健康保険や年金の手続きをする必要があります。しかし、月末退職にしておけば「退職した月」の保険料までは会社が半分負担してくれます。月中退職にすると、退職した月の分から全額自己負担になってしまうためです。

ただし、退職後の保険を「会社の任意継続」にするか「国民健康保険」にするかで金額が変わるため、市役所などで事前に国民健康保険料の試算をしてもらうとより確実です。

パターンC:ボーナスをもらってから辞めたい場合

【結論】必ず「ボーナス支給日以降」の退職日(月末・月中問わず)に設定してください。

前述の通り「支給日在籍要件」を満たすことが最優先です。12月10日が支給日であれば、最低でも12月10日以降を退職日とします。その上で、パターンAやBの状況に合わせて、12月15日などの「月中退職」にするか、12月31日の「月末退職」にするかを選択しましょう。

8. 退職日を決める際のよくある質問と注意点

退職日を設定する際、多くの方が混同しがちなのが「最終出社日」と「退職日」の違いです。

退職日とは、会社に籍を置く「最後の日」のことです。最終出社日ではありません。

例えば、残っている有給休暇が20日間あるとします。10月10日を最終出社日とし、10月11日から10月31日までを有給消化期間にあてた場合、退職日は「10月31日(月末退職)」となります。

「もう出社しないのだから月中退職にしなければならない」と勘違いして損をしてしまう方がいますが、有給休暇を使って月末退職に調整することは労働者の正当な権利です。人事担当者や上司とスケジュールをすり合わせる際は、「最終出社日を○日とし、有給を消化した上で、退職日を○月末にしたい」と明確に伝えるようにしましょう。

9. まとめ:制度を理解して損のない退職日を設定しよう

退職日を「月末」にするか「月中」にするかによって、社会保険料の負担額や手続きの手間、賞与の受け取り可否は大きく変動します。記事のポイントを以下にまとめました。

  • 社会保険料の負担: 月末退職なら退職月まで会社が半額負担(労使折半)。月中退職だと退職月から全額自己負担(国民健康保険等)。
  • 賞与の受け取り: 就業規則の「支給日在籍要件」を必ず確認し、支給日以降の退職日にする。
  • 次の職場が決まっている場合: 翌月1日入社にして「月末退職」を選ぶのが最もスムーズでお得。
  • 有給消化の活用: 最終出社日が月中であっても、有給を利用して退職日を月末に設定することが可能。

退職や転職は人生の大きな転機です。仕事の引き継ぎなどで忙しい時期ではありますが、お金や保険の手続きは退職後の生活基盤に直結します。本記事で解説した内容をもとに、ご自身のキャリアプランや状況に最も適した退職日を選び、後悔のないスムーズな次のステップへと進んでください。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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