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【社労士監修】休職とは?欠勤・休業との違いや手当金の受給条件・給料・期間まで完全解説

【社労士監修】休職とは?欠勤・休業との違いや手当金の受給条件・給料・期間まで完全解説

「病気やケガ、メンタル不調で仕事を長期間休まなければならなくなった」「休職中の生活費や給料はどうなるのか不安……」

このような悩みを抱えていませんか?

休職(きゅうしょく)とは、従業員が業務外の病気やケガなどの理由で働けない状態にあるとき、会社に籍を置いたまま労働義務を免除してもらう制度です。

しかし、いざ休職を検討すると「欠勤や休業と何が違うの?」「休職中にお金はもらえるの?」「期間はどのくらい認められる?」など、分からないことが多く不安になる方も少なくありません。

結論から言うと、休職中の給料は原則無給となるケースが多いですが、「傷病手当金」を活用することで、直近の給料の約3分之2(約67%)を最長1年6ヶ月間受給することが可能です。

本記事では、休職の基礎知識から欠勤・休業との明解な比較、気になる手当金制度(傷病手当金・労災保険など)、手続きの流れ、復職に向けたポイントまで、厚生労働省等の公的データをもとに詳しく解説します。

1. 休職とは?制度の概要と目的

休職とは、従業員が何らかの理由によって働くことが困難になった際、労働契約(雇用関係)を維持したまま、一定期間の労働義務を免除する制度です。

休職制度は「法律」ではなく「就業規則」で決まる

注意が必要なのは、休職制度は労働基準法などで導入が義務付けられている制度ではないという点です。労働基準法上、会社に休職制度を設ける法的な義務はありません。

したがって、休職の適用条件、受け入れ期間、給料の有無などは、すべて各企業の「就業規則」の規定によって決定されます。

自社に休職制度があるか、またどのような条件で利用できるかを確認するには、勤務先の就業規則や契約内容を確認する必要があります。

2. 【比較表】休職・欠勤・休業の違いを徹底解説

実務上、混同されやすい言葉に「欠勤」や「休業」があります。これらは法律上の性質や給与支払いの有無、会社からの評価などが大きく異なります。

まず、以下の比較表でそれぞれの違いを整理しましょう。

項目休職欠勤休業
定義会社が認めて労働義務を免除した期間労働日であるにもかかわらず働くことを休むこと法律や会社の命令に基づき労働義務が免除・停止されること
発生理由私傷病、自己都合、資格取得など個人都合の病欠・事前連絡なしの不認可欠勤など産前産後・育児・介護・会社都合(休業手当対象)など
根拠各企業の「就業規則」就業規則(事前申請なしの休み含む)「労働基準法」「育児・介護休業法」などの法律
ノーワーク・ノーペイの原則原則適用(無給)適用(完全無給)理由により異なる(育児・介護給付金、休業手当などあり)
評価・ペナルティ会社が認めた休業のため懲戒対象外人事評価のマイナス、度重なると懲戒処分対象法律で保護されているため不利な扱いは禁止

2-1. 「欠勤」との違い(権利とペナルティ)

欠勤とは、労働契約上「働く義務がある日」に働かなかった状態を指します。

事前連絡をして有給休暇を取得すれば欠勤にはなりませんが、有給消化後や連絡なしで休んだ場合は欠勤扱いとなります。欠勤は労働契約上の義務違反となるため、給与が控除されるだけでなく、評価の減点や懲戒処分の対象となるリスクを伴います。

一方、休職は会社が正式に労働義務を免除している状態であるため、休んでいること自体を理由に解雇されたり懲戒処分を受けたりすることはありません。

2-2. 「休業」との違い(法律上の規定)

休業とは、主に労働基準法や育児・介護休業法などの「法律に基づいて認められた休み」を指します。

  • 産前産後休業・育児休業・介護休業:法律で定められた労働者の権利であり、条件を満たせば会社は拒否できません。
  • 会社都合の休業:経営不振や工場停電など、会社側の都合で休業させる場合、労働基準法第26条に基づき、会社は平均賃金の60%以上の「休業手当」を支払う義務があります。

休職が「会社のルール(就業規則)」に基づくのに対し、休業の多くは「法律」に基づいて労働者の権利が保護されている点に最大の違いがあります。

3. 休職の主な種類

休職制度の内容は会社によって異なりますが、一般的には以下のような種類が設けられています。

3-1. 傷病休職(メンタルヘルス・身体的疾患)

休職の中で最も利用されているのが「傷病休職(私傷病休職)」です。

業務とは関係のない病気やケガ(私傷病)により、長期間勤務が不可能な場合に適用されます。近年では、うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調による傷病休職が増加傾向にあります。

3-2. 自己都合休職(留学・ボランティア等)

スキルアップのための海外留学、青年海外協力隊などのボランティア活動、あるいは配偶者の海外転勤への同行など、自己都合による長期離職を認める休職制度です。人材引き止めや福利厚生の一環として導入する企業が増えています。

3-3. 起訴休職・公職休職

  • 起訴休職:刑事事件で起訴された従業員に対し、会社の信用失墜防止や裁判対応のために命じられる休職。
  • 公職休職:議員などの公職に就任した際に、業務との両立が困難な場合に適用される休職。

4. 休職中のお金はどうなる?給料・手当金・税金・社会保険料

休職を検討する際、最も多く寄せられる不安が「お金」の問題です。給料の支払い、公的な手当金、税金や保険料の負担について正確に把握しておきましょう。

4-1. 休職中の給料は「原則無給」

労働法には「ノーワーク・ノーペイの原則(働いていない時間に対して賃金を支払う義務はない)」があります。

休職期間中の給料の支払いは企業の任意ですが、厚生労働省等の調査によると、私傷病休職期間中を「無給」としている企業が約8割を占めています。

つまり、休職中は会社からの給料はストップすると考えておくのが現実的です。

4-2. 傷病手当金の給付条件と支給額(支給決定例)

給料が途絶えた場合の生活保障として、健康保険から支給されるのが「傷病手当金(しょうびょうてあときん)」です。

傷病手当金の受給条件(4つの要件)

  1. 業務外の病気やケガの療養のための休業であること
  2. 労働に服することができない(就労不能)状態であること
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(最初の3日間は「待期期間」)
  4. 休職期間中に給与の支払いがないこと(給料が一部支払われていても、手当金額より少なければ差額が支給される)

支給される金額の計算式

傷病手当金の1日あたりの支給額は、以下の計算式で算出されます。

$$\text{1日あたりの支給額} = \frac{\text{支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額}}{30\text{日}} \times \frac{2}{3}$$

大まかな目安として、「直近の額面給料の約3分之2(約67%)」が支給されると覚えておくと良いでしょう。

支給期間

支給開始日から通算して最長1年6ヶ月間受給できます。

【傷病手当金の受給シミュレーション】

月収(標準報酬月額)30万円の会社員が、うつ病で6ヶ月間休職した場合の支給額例を見てみましょう。

  • 1日あたりの支給額: $300,000 \div 30 \times \frac{2}{3} = 6,667\text{円}$
  • 1ヶ月(30日)あたりの支給額: $6,667 \times 30 = 200,010\text{円}$
  • 6ヶ月間の支給合計額: 約 120万円

傷病手当金は非課税所得のため、所得税や住民税がかかりません。そのため、実質的な手取り感は休職前の手取り額に近い水準が維持されるケースもあります。

4-3. 労災保険(休業補償給付)との違い

病気やケガの原因が「仕事中」や「通勤中」にある場合は、健康保険の傷病手当金ではなく、労働災害補償保険(労災保険)の対象となります。

区分傷病手当金(健康保険)休業補償給付(労災保険)
適用原因業務外の病気・ケガ(プライベート)業務上・通勤上の病気・ケガ・災害
支給額割合直近給与の約67%(3分之2)給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)
支給期間通算最長1年6ヶ月治癒(症状固定)するまで、または傷病年金へ移行
自己負担医療費の3割負担あり治療費全額無料(自己負担なし)

過重労働による脳・心臓疾患や、職場でのパワハラ等によるメンタルヘルス不調が原因と認められた場合は労災申請が可能です。労災と認められた方が給付割合が高く、治療費もかかりません。

4-4. 休職中でも「社会保険料・住民税」の支払いは必要

休職中で給料が0円になっても、免除されないコストがあります。それが「社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)」「住民税」です。

1. 社会保険料

休職中であっても社保の資格は継続するため、保険料の支払い義務が発生します。通常は給料から天引きされますが、無給の場合は「会社から指定口座へ振り込む」か「復職後にまとめて精算する」などの手続きが必要になります。

2. 住民税

住民税は「前年の所得」に対して課税されるため、休職して収入が減っても当年の支払額は変わりません。こちらも天引きができないため、会社経由での振込や、市区町村から届く納付書で直接納める(普通徴収)対応が必要となります。

5. 休職期間の上限と平均休職期間のデータ

休職はいつまで続けられるのでしょうか。期間のルールと、実際の平均休職期間のデータを見てみましょう。

5-1. 休職期間の決定方法と法律の扱い

休職期間の上限は、各企業の就業規則によって定められています。

一般的には「勤続年数」に応じて期間が設定されるケースが多く見られます。

  • 勤続1年未満:1ヶ月~3ヶ月程度
  • 勤続1年以上3年未満:6ヶ月~1年程度
  • 勤続3年以上:1年~3年程度

法律上の上限規定はないため、企業によっては「最長3年間」と長期設定しているところもあれば、「勤続1年未満は休職制度の適用なし」としている場合もあります。

5-2. 【データ】メンタルヘルス不調による休職期間の平均

厚生労働省の「労働安全衛生調査(実態調査)」等の公的データを紐解くと、メンタルヘルス不調等で休職する従業員の現状が見えてきます。

過去1年間にメンタルヘルス不調で休職・退職した労働者の割合

  • 休職した労働者の割合:全労働者中 1.4%
  • 退職した労働者の割合:全労働者中 0.8%

(出典:厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)」)

また、各種民間調査や医療機関のデータによると、メンタル不調による平均休職期間は「6ヶ月~1年程度」となるケースがもっとも一般的です。うつ病等の治療では、症状の消退だけでなく「復職に向けたリハビリ期間」を設けるため、半年以上の期間を要する傾向にあります。

6. 休職から復職・退職までの具体的な手順

実際に休職に入る場合から、療養を経て職場復帰(または退職)に至るまでのプロセスを4ステップで解説します。

Step 1: 医師の診断書取得・会社への申請

体調不良を感じたら、まずは医療機関(心療内科、精神科、整形外科など)を受診します。

医師から「〇ヶ月間の加療・休養を要する」といった診断が出た場合、「診断書」を発行してもらいます。この診断書を添えて、直属の上司や人事部に休職希望の旨を申請します。

合わせて、就業規則に書かれている休職手続きのルールを確認しましょう。

Step 2: 休職中の療養と定期連絡

休職がスタートしたら、まずはしっかり身体と心を休めることが第一です。

  • 傷病手当金の手続き:申請書に医師の証明と事業主の証明をもらい、加入している健保組合へ提出します(通常1ヶ月単位で申請)。
  • 会社との連絡:月に1回程度、体調の回復経過や通院状況を人事部や上司へ報告します(連絡方法や頻度は事前に取り決めておきます)。

Step 3: 復職可否の判断と復職プラン策定

主治医から「復職可能」との判断(復職診断書)が出たら、会社に復職の意思を伝えます。

  1. 主治医の診断書提出:「軽作業であれば就労可能」「フルタイム勤務可能」などの意見
  2. 産業医との面談:会社の状況を理解している産業医が、本当に復職できる状態かを客観的に判断
  3. 復職プラン(試し出勤制度など)の決定:最初は短時間勤務(時短勤務)や残業免除からスタートする「ならし勤務」を調整

Step 4: 復職または期間満了による退職

産業医および会社が復職を承認すれば、無事に職場復帰となります。

しかし、残念ながら就業規則で定められた休職期間満了までに病気が治癒せず、復職できない場合は、就業規則の規定に基づき「自動退職」または「解雇」となるのが一般的です。

7. まとめ:休職制度を正しく理解して安心して療養しよう

休職は、病気やケガで働けなくなった労働者の雇用を守り、安心して治療に専念してもらうための大切な制度です。

最後に、本記事の重要ポイントを振り返ります。

  • 休職とは:法律ではなく各企業の「就業規則」に基づいて労働義務を免除する制度
  • 欠勤・休業との違い:欠勤はペナルティ対象になり得るが、休職は会社公認の休み。休業は主に法律に基づく権利
  • お金の保障:給料は原則無給だが、健康保険から「傷病手当金」として直近給与の約3分之2が最長1年6ヶ月支給される
  • 費用負担:無給であっても「社会保険料」や「住民税」の支払いは発生する
  • 復職へのステップ:主治医の診断書だけでなく、産業医との連携や試し出勤を活用して段階的に復帰する

体調を崩してしまったときは、一人で抱え込まずに、まず勤務先の就業規則(休職規定)を確認し、人事部や労務担当者へ相談してみましょう。制度や手当金を正しく活用し、焦らずに体調の回復を目指すことが最優先です。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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