ジョブジョブ 転職ノウハウ

【最新】介護休暇・介護休業で給与は出る?違いと給付金・条件を徹底解説

【最新】介護休暇・介護休業で給与は出る?違いと給付金・条件を徹底解説

親や配偶者に突然の介護が必要になったとき、多くのビジネスパーソンが直面するのが「仕事と介護の両立」という壁です。総務省の「就業構造基本調査」によると、家族の介護や看護を理由に離職する「介護離職者」は年間約10万人に上るとされており、社会的にも大きな課題となっています。

いざという時に頼りになるのが「介護休暇」と「介護休業」の制度ですが、「この2つは何が違うのか?」「休んでいる間の給与はどうなるのか?」といった疑問を持つ方は少なくありません。

本記事では、介護休暇と介護休業の決定的な違いから、気になる給与や「介護休業給付金」の仕組み、具体的な取得条件・申請方法まで、最新のデータと図表を交えて徹底的に解説します。仕事をやめずに介護体制を整えるための知識として、ぜひお役立てください。

1. 介護休暇と介護休業の決定的な違い(比較表)

名前は似ていますが、「介護休暇」と「介護休業」は目的や取得できる日数が全く異なる制度です。最大のポイントは、「自ら介護をするための休み」ではなく、「介護をするための体制を整えるための休み」であるという点です。

まずは、両者の決定的な違いを以下の表で確認しましょう。

比較項目介護休暇介護休業
主な目的突発的な事態への対応
(通院の付き添い、ケアマネ面談など)
長期的な介護体制の構築
(施設探し、ヘルパー手配、環境整備など)
取得可能日数対象家族1人につき年5日
(2人以上の場合は年10日)
対象家族1人につき通算93日
取得の単位時間単位、半日単位、1日単位1日単位(※最大3回まで分割取得が可能)
給与の扱い原則無給(※企業により独自に有給とする場合あり)原則無給
経済的支援制度特になし介護休業給付金(休業前賃金の約67%支給)
申請の期限当日の申請も可能(口頭でも認められる)休業開始予定日の2週間前までに書面等で申請
社会保険料の扱い通常通り発生(免除なし)通常通り発生(※育児休業とは異なり免除なし)

このように、一時的な単発の用事には「介護休暇」を使い、本格的な介護サービスの手配や実家のバリアフリー改修工事への立ち会いなど、まとまった時間が必要な場合は「介護休業」を使う、という使い分けが基本となります。

2. 介護休暇・介護休業の期間中、給与は支払われるのか?

介護のために仕事を休む際、最も気になるのが「給与・収入」の問題です。結論から申し上げますと、法律(育児・介護休業法)上は、介護休暇・介護休業ともに「原則無給」とされています。

企業は従業員を休ませる義務を負っていますが、その期間中の賃金を支払う義務までは法律で定められていないため、多くの企業では「ノーワーク・ノーペイの原則」により無給扱いとなります。

ただし、これはあくまで法律の最低基準です。企業の福利厚生や就業規則によっては、独自の支援策を設けているケースがあります。

制度給与に関する実態・データ
介護休暇の給与厚生労働省の調査によると、介護休暇を導入している事業所のうち、**約3割〜4割の企業が「有給(一部有給を含む)」**としています。ご自身の会社の就業規則を確認することが重要です。
介護休業の給与介護休業を「有給」としている企業は非常に稀(数パーセント程度)です。ほとんどの企業が無給扱いとなりますが、その代わりに雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。

もし介護休暇が無給である場合、従業員は自分の「年次有給休暇(有休)」を優先して消化する傾向があります。有休を使い切ってしまった後の緊急対応枠として、無給の介護休暇を利用するのが一般的な実態です。

3. 無給でも安心!「介護休業給付金」の受給額と計算方法

介護休業中は会社からの給与がゼロになることがほとんどですが、一定の条件を満たせば、雇用保険から「介護休業給付金」を受け取ることができます。これにより、収入が完全に途絶えるリスクを防ぐことが可能です。

介護休業給付金の支給額

支給される金額は、原則として「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算されます。つまり、おおよそ休業前の月給の約3分の2が支給される仕組みです。

具体的な月給モデル別の支給額目安は以下の表の通りです。(※支給額には上限・下限が設定されています)

休業前の月給(額面)介護休業給付金の支給額(月額目安)備考
15万円約10万500円–
20万円約13万4,000円–
25万円約16万7,500円–
30万円約20万1,000円–
35万円約23万4,500円–
45万円約30万1,500円–
55万円以上34万1,298円(※上限額)令和6年8月1日以降の上限額適用

介護休業給付金における注意点

介護休業給付金を受け取るにあたって、見落としがちな重要なデータ・事実があります。

  1. 社会保険料は免除されない育児休業中は健康保険料や厚生年金保険料が免除されますが、介護休業中は社会保険料の免除制度がありません。 給付金は非課税ですが、無給であっても会社を通じて社会保険料を納める必要があるため、実質的な手元に残るお金は計算よりも少なくなる点に注意が必要です。
  2. 支給は「職場復帰が前提」介護休業給付金は、介護を理由とした退職を防ぐための制度です。そのため、休業開始前からすでに退職を予定している場合は受給対象外となります。

4. 介護休暇・介護休業の取得条件と対象となる家族

介護休暇や介護休業は、誰に対してでも取得できるわけではありません。法律で定められた「対象となる家族」と「介護が必要な状態の基準」を満たす必要があります。

対象となる家族の範囲

以下の表に該当する家族が対象です。配偶者の親(義父母)や、同居していない祖父母・孫なども対象に含まれるのがポイントです。

続柄該当する家族の詳細・条件
配偶者法律上の婚姻関係にある配偶者のほか、事実婚(内縁関係)も含まれます。
父母・子実父母、養父母、実子、養子を問いません。
配偶者の父母いわゆる「義理の父母」も対象となります。
祖父母・兄弟姉妹・孫以前は同居・扶養の条件がありましたが、現在は法改正により同居や扶養の要件は撤廃されており、離れて暮らす兄弟や祖父母でも対象となります。

「常時介護を必要とする状態」の定義

ただ「高齢だから」という理由では制度を利用できません。対象家族が「負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」であることが条件です。

具体的には、以下のいずれかのデータ・基準に当てはまる場合が目安となります。

  • 介護保険制度において「要介護2以上」と認定されていること。
  • 要介護1以下であっても、厚生労働省が定める「状態判定基準」において、歩行、食事、排泄、衣服の着脱などの日常生活動作において一定の介助が必要と認められること。

5. 失敗しないための申請手続き・必要書類一覧

介護休業を取得し、給付金を受け取るまでの手続きは、本人と企業の人事担当者が連携して進める必要があります。手続きの遅れは給付金の未払い等につながるため、以下のスケジュール表に沿って早めに行動しましょう。

ステップ実施時期の目安手続きの具体的な内容
① 事前相談介護の必要性が発生した直後上司や人事部へ状況を共有。会社の就業規則で独自のルール(有給か無給か等)を確認する。
② 休業の申し出休業開始予定日の2週間前まで会社指定の「介護休業申出書」を提出する。※会社によっては診断書や介護保険被保険者証のコピーを求められる場合があります。
③ 休業の開始申請した休業期間(通算93日まで)ケアマネジャーと面談し、デイサービスや訪問介護の契約など「仕事と両立できる介護体制」を構築する。
④ 給付金の申請休業終了後〜終了日の翌々月末まで原則として会社(事業主)経由でハローワークへ申請手続きを行う。

【給付金申請時の主な必要書類】

雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書、介護休業給付金支給申請書、対象家族の氏名・続柄が確認できる住民票記載事項証明書など、休業期間が確認できる出勤簿・タイムカード等のデータ提出が求められます。

6. 介護離職を防ぐ!仕事と介護を両立するためのデータと実態

国は手厚い制度を用意していますが、実際の利用状況はどうなっているのでしょうか。

厚生労働省の「雇用均等基本調査」等のデータを見ると、非常に厳しい現実が浮かび上がります。

項目実際のデータ・数値
年間の介護離職者数約10.6万人(総務省 令和4年就業構造基本調査)
介護休業の取得率女性:約2.0%前後、男性:約1.2%前後(厚労省調査)
離職した主な理由1位:仕事と手当(介護体制)の両立が難しい(約6割)
2位:自分の心身の健康悪化

休業制度があるにも関わらず取得率が数パーセントに留まっている理由は、「休むと収入が減る」「職場の代替要員がおらず迷惑がかかる」といった心理的ハードルが高いことが挙げられます。

しかし、介護は育児と違い「いつ終わるか先が見えない」という特徴があります。自力で介護を抱え込み、結果的に離職してしまうと、経済的に困窮するリスクが一気に高まります。

介護離職を防ぐためには、介護休業(通算93日)に加えて、以下の支援制度を組み合わせて利用することが重要です。

  • 介護のための短時間勤務制度(時短勤務):利用開始から連続する3年以上の期間で、所定労働時間を短縮できる制度。
  • 所定外労働(残業)の制限:介護終了まで、残業を免除してもらえる制度。
  • 深夜業の制限:午後10時から午前5時までの深夜労働を免除してもらえる制度。

まずは1日・半日単位の「介護休暇」を使って地域包括支援センターなどに相談し、必要に応じて「介護休業」を取得してプロの介護サービス(ヘルパーや施設)を手配し、自身は「働く体制」に戻るというプロセスが、最も安全な両立の形です。

7. この記事のポイント

最後に、介護休暇と介護休業に関する重要なポイントをまとめます。

  • 目的の違いを理解する介護休暇は年5日の「突発的な単発の休み(通院同行など)」、介護休業は通算93日の「長期的な介護体制を整えるための休み」です。
  • 給与は原則「無給」である法律上はどちらも無給ですが、会社によっては介護休暇を有給としている場合があるため、必ず就業規則を確認してください。
  • 介護休業なら「給付金」がもらえる介護休業を取得すると、雇用保険から休業前賃金の約67%が「介護休業給付金」として支給されます。ただし、社会保険料は免除されません。
  • 対象家族の幅は広い配偶者や実の両親だけでなく、義理の両親や、離れて暮らす祖父母・兄弟姉妹・孫も対象になります。
  • 介護休業は「自分で介護するため」ではない休業期間(93日間)は自分が直接介護をする期間ではなく、ケアマネジャーと相談して各種介護サービスを契約し、「自分が働き続けられる体制を作るための準備期間」として活用しましょう。

介護は突然始まります。いざという時に慌てず、経済的な不安なく仕事と介護を両立できるよう、今のうちから自社の就業規則や国の制度をしっかり把握しておきましょう。

なるほど!と思ったらシェアしよう!

この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

「転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部」は、医療、介護、保育の求人サイト「ジョブジョブ」の運営メンバーによる記事編集部門です。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に関わる方に向けた、今後のキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

あわせて読みたい記事

おすすめの新着求人