ジョブジョブ 転職ノウハウ

【24時間体制】訪問看護師の仕事内容とは?病院看護との違いややりがい・リアルな働き方を徹底解説

【24時間体制】訪問看護師の仕事内容とは?病院看護との違いややりがい・リアルな働き方を徹底解説

「訪問看護の仕事ってどんな内容?」「24時間対応って夜勤や呼び出しで大変そう……」と不安や疑問を抱いていませんか?

高齢化社会が急速に進む日本において、住み慣れた自宅や地域で最期まで暮らせるようにサポートする「訪問看護」のニーズは年々高まっています。しかし病院看護とは働き方が大きく異なるため、転職を躊躇してしまう看護師の方も少なくありません。

本記事では、訪問看護の具体的な仕事内容、病院看護との決定的な違い、24時間オンコール体制のリアルな実態、そして気になる給与ややりがいについて、最新のデータを交えて分かりやすく解説します。

1. 訪問看護とは?基本的な役割と急増する背景

訪問看護とは、病気や障害を抱えた方が住み慣れた自宅や介護施設などで自分らしく生活できるよう、看護師や理学療法士などの専門職が生活の場へ訪問し、看護ケアやリハビリテーションを提供するサービスです。

訪問看護ステーション数と利用者数の推移

近年、訪問看護の需要は右肩上がりで拡大しています。厚生労働省の調査データを見ても、その増加傾向は一目瞭然です。

年次訪問看護ステーション数受給者数(月間)
2015年約8,300事業所約42万人
2018年約10,400事業所約55万人
2021年約13,000事業所約68万人
2024年約15,500事業所約82万人

※厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」「介護給付費等実態統計」等のデータを基に作成

約10年間でステーション数・利用者数ともに約2倍近くに増加しています。日本が「超高齢社会」を迎え、国が推進する「地域包括ケアシステム(重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができる仕組み)」の核として、訪問看護が非常に重要な位置づけとなっていることが大きな理由です。

2. 訪問看護師の具体的な仕事内容と1日のスケジュール

訪問看護師の仕事は、単に医療処置を行うだけではありません。利用者の生命と生活の両面を支える多岐にわたるケアを提供します。

主な仕事内容

  1. 健康状態の観察(バイタルチェック)血圧、体温、脈拍、呼吸状態、病状の観察、服薬管理などを行います。
  2. 日常生活の支援(清潔・排泄・食事ケア)入浴介助、清拭、洗髪、排泄ケア、栄養指導や食事介助など、生活の質(QOL)を高めるケアを実施します。
  3. 医療処置および機器の管理インスリン注射、点滴、経管栄養、カテーテル管理、人工呼吸器などの医療機器の管理、床ずれ(褥瘡)の予防・処置を行います。
  4. ターミナルケア(看取りの看護)がん末期や老衰など、自宅で最期を迎えたい利用者・家族に対する痛みの緩和ケアや精神的支援、看取りの対応を行います。
  5. ご家族への相談・介護支援介護負担を感じているご家族からの相談に乗り、適切なアドバイスや精神的なフォローを行います。
  6. 多職種連携(書類作成・カンファレンス)主治医、ケアマネジャー、ヘルパー、理学療法士などと情報共有を行い、ケアプランに沿った看護を提供します。

訪問看護師(日勤)のリアルな1日スケジュール例

  • 08:30 【出勤・朝礼】当日の訪問スケジュール確認、前夜のオンコール対応の申し送り、利用者の状態確認。
  • 09:00 【1件目の訪問(定期ケア)】バイタルチェック、入浴介助、服薬確認。
  • 10:30 【2件目の訪問(医療処置)】褥瘡(床ずれ)の処置、点滴の実施。
  • 12:00 【昼休憩・移動】ステーションに戻るか、移動先近くでランチをとって休憩。
  • 13:00 【3件目の訪問(ターミナルケア)】がん末期の利用者様への疼痛管理、ご家族への精神的ケア。
  • 14:30 【4件目の訪問(リハビリ・服薬指導)】歩行訓練の実施、服薬カレンダーのセット。
  • 16:00 【ステーション帰着・電子カルテ入力】看護記録の作成、医師やケアマネジャーへの報告書・計画書の作成・連絡。
  • 17:30 【終礼・退勤】翌日の準備を整え、当番へオンコール端末を引き継いで退勤。

3. 病院看護と訪問看護の決定的な5つの違い

病院勤務から訪問看護へ転職を考える際、最も気になるのが「看護スタイルの違い」です。両者の特徴を分かりやすく表にまとめました。

病院看護 vs 訪問看護の比較表

比較項目病院看護訪問看護
看護の対象「病気」を中心に治療を受ける患者「生活」を中心に暮らす利用者・家族
看護の場所病院(医療者のホーム領域)自宅(利用者のアウェイ領域)
体制医師や先輩看護師が常に近くにいる基本的に1人で訪問し判断(遠隔フォローあり)
関わり方入院から退院までの比較的短期間数か月〜数年単位の長期的な関わり
働き方・時間2交代・3交代などの夜勤シフト制基本日勤帯+オンコール担当制

病院では医療機器や設備が整った環境で、医師の指示のもと迅速な処置が求められます。一方、訪問看護では「限られた物品と生活環境の中で、利用者一人ひとりの価値観や生活リズムに合わせた工夫」が求められるのが最大の違いです。

4. 気になる「24時間看る」オンコール体制の仕組みとリアルな実態

タイトルの“患者さんを24時間看る”という言葉を聞いて、「夜も寝ずに働き詰めになるのでは?」と不安に思う看護師は少なくありません。ここでは訪問看護における24時間体制(オンコール)の仕組みを解説します。

オンコール体制とは?

「24時間対応体制加算」を取得している訪問看護ステーションでは、夜間や休日に利用者の状態が急変した際に備えて、携帯電話(オンコール端末)を当番制で所持します。

オンコール当番の実情データ

実際には、電話が鳴ったからといって毎回緊急出動するわけではありません。一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査データ等によると、夜間の出動率は想像よりも低いことが分かります。

  • 夜間電話対応の平均回数: 1回当番あたり 0.5回〜1.5回程度
  • 実際に緊急出動する割合: 電話対応したうちの 10%〜20%程度

電話対応の多くは「少し熱が上がってきたがどうすればいいか」「指示書にある頓服薬を飲ませてよいか」といった相談であり、電話口でのアドバイスで解決ケースが大半です。実際に緊急訪問が必要となるのは、状態が急変した際やターミナルケアにおける看取りのタイミングなどです。

また、多くのステーションでは「オンコール手当」や「出動手当」が支給されるほか、夜間出動があった場合は翌日の出勤時間を遅らせるシフト調整(インターバル制度)を採用する事業所も増えています。

5. 訪問看護で働く魅力・やりがいと大変なポイント

訪問看護は非常にやりがいが大きい反面、特有の苦労もあります。双方を正しく理解しておくことが転職成功の鍵です。

3つの魅力・やりがい

  1. 一人ひとりとじっくり向き合った看護ができる病院のように多くの病床に追われることなく、訪問時間内(30分〜90分程度)は1人の利用者様・ご家族だけに集中して丁寧な看護を提供できます。
  2. 生活の質(QOL)向上や最期を支える達成感「家で過ごせて嬉しい」「先生(看護師)が来てくれて安心した」とダイレクトに感謝される機会が多く、看取りを終えたご家族から温かい言葉をいただけることも深いやりがいにつながります。
  3. ワークライフバランスを整えやすい原則として日勤帯(8:30〜17:30など)の勤務が中心となるため、土日休みや規則正しい生活を送りたい看護師にとって働きやすい環境です。

大変なポイントと乗り越え方

  • 現場での判断力(アセスメント力)が求められる
    • 対策: 訪問看護は原則1人で動きますが、決して孤立しているわけではありません。スマホやタブレットで事務所の先輩や医師にリアルタイムで画像共有・相談できる体制が整っている事業所を選びましょう。
  • 利用者のご家庭ごとのルールやマナーへの配慮が必要
    • 対策: 各ご家庭は「利用者のプライベート空間」です。接遇マナーを意識し、ご家族との信頼関係を少しずつ築く姿勢が大切です。

6. 訪問看護師の平均年収・給与データ

訪問看護師の給与水準は、病院勤務の看護師と同等か、インセンティブ(訪問件数手当)やオンコール手当によって高水準になる傾向にあります。

看護師の勤務先別・平均年収比較(目安)

勤務先・働き方平均年収(目安)備考
訪問看護師(常勤)約430万円〜520万円オンコール手当・訪問インセンティブ含む
病院勤務看護師(夜勤あり)約480万円〜500万円夜勤手当(月4〜5回)含む
クリニック(日勤のみ)約380万円〜420万円賞与や手当が控えめな傾向

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および大手看護師転職エージェントの公開データを基に独自算出

訪問看護では「1日○件以上の訪問で1件あたり◯千円の手当支給」といったインセンティブ制度を導入しているステーションも多く、自身の努力や働き方によって収入を伸ばしやすい特徴があります。

7. 訪問看護に向いている人・向いていない人の特徴

訪問看護に興味があるものの、「自分に適性があるか不安」という方向けにチェックリストを作成しました。

訪問看護に向いている人

  • 患者さんやご家族とコミュニケーションをとるのが好きな人
  • 病院での臨床経験が3年以上あり、基本的な看護技術を備えている人
  • 相手の生活様式や価値観を尊重し、柔軟に対応できる人
  • ワークライフバランス(子育てやプライベートとの両立)を重視したい人

訪問看護に向いていない人(対策が必要な人)

  • 医師や先輩看護師の指示通りに動くだけの環境を好む人
  • 患者さんのプライベートな空間に入ることに強い抵抗がある人
  • 車の運転(軽自動車など)がどうしても苦手な人(※自転車訪問中心の都市部ステーションを除く)

近年では「未経験・臨床経験1〜2年」でも手厚いプリセプター制度(マンツーマンの教育体制)を整えている訪問看護ステーションが増加しているため、経験年数に不安がある方でも十分に挑戦可能です。

8. まとめ:この記事のポイント

最後に、訪問看護の仕事内容に関する重要なポイントをまとめます。

【この記事のまとめポイント】

  1. 需要の拡大: 超高齢社会と地域包括ケアシステムの推進により、訪問看護の需要・ステーション数は年々急増している。
  2. 看護の視点: 病院が「病気の治療」中心であるのに対し、訪問看護は利用者の「生活とQOL」を支える看護が中心となる。
  3. 24時間体制の実情: オンコール体制はあるが毎回出動するわけではなく、電話相談で解決するケースが大半である。
  4. 働きやすさと給与: 基本日勤メインでワークライフバランスが取りやすく、インセンティブや手当により年収450万〜500万円以上を目指せる。
  5. キャリアの選択肢: 一人ひとりの患者さんと深い信頼関係を築きたい看護師にとって、訪問看護は非常にやりがいと将来性の高い選択肢である。

訪問看護は、看護師としての臨床経験や観察力を存分に活かし、患者さんの「自分らしい生き方」を一番近くで支えることができる魅力的な仕事です。興味を持たれた方は、ぜひステーションの見学や体験訪問から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

なるほど!と思ったらシェアしよう!

この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

「転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部」は、医療、介護、保育の求人サイト「ジョブジョブ」の運営メンバーによる記事編集部門です。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に関わる方に向けた、今後のキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

あわせて読みたい記事

おすすめの新着求人