タスクシフト・シェアとは?医師の働き方改革で変わる医療現場と具体例
2024年4月より「医師の働き方改革」が本格的に施行され、医療現場はかつてない大きな転換期を迎えています。これまで日本の高品質な医療は、医師の長時間労働という自己犠牲の上に成り立っ...
ジョブジョブ 転職ノウハウ
医師を目指す方や、将来の専門科選びに悩む医学生・研修医に向けて、医師の診療科ごとの仕事内容、医師国家試験の合格率、卒後初期研修制度の仕組みまでを徹底解説します。
「医師は診療科によってどれくらい仕事内容や生活リズムが違うのか」「国家試験の難易度や研修カリキュラムはどうなっているのか」といった疑問を解決できるよう、最新のデータや表・グラフを用いて分かりやすくまとめました。自分に合った診療科選びや、医師へのロードマップを描くための決定版としてご活用ください。
目次
医師として診療を行うためには、大学の医学部(6年間)を卒業し、厚生労働省が実施する「医師国家試験」に合格する必要があります。
医師国家試験は、毎年2月上旬に実施されます。合格率は例年90%前後で高水準を維持していますが、これは「医学部という超難関を突破した学生たちが、数か月間死力を尽くして勉強した結果の数値」であり、試験自体の難易度が低いわけではありません。
以下は、近年の医師国家試験における出願者数・受験者数・合格者数・合格率の推移をまとめたデータです。
| 実施回(年度) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 全体合格率 | 新卒合格率 | 既卒合格率 |
| 第118回(2024年) | 10,336 | 9,244 | 89.4% | 94.3% | 52.8% |
| 第117回(2023年) | 10,293 | 9,432 | 91.6% | 95.4% | 56.4% |
| 第116回(2022年) | 10,061 | 9,222 | 91.7% | 95.0% | 57.2% |
| 第115回(2021年) | 9,910 | 9,058 | 91.4% | 94.4% | 58.7% |
| 第114回(2020年) | 10,140 | 8,940 | 88.1% | 93.1% | 48.9% |
※厚生労働省「医師国家試験の合格発表」データより作成
データを詳しく分析すると、新卒者の合格率が94〜95%と非常に高い一方で、既卒者(不合格となり翌年以降に再受験する層)の合格率は50%前後にまで低下することがわかります。このデータから、いかに「現役(新卒)で一発合格すること」が重要かが理解できます。
医師国家試験は、3日間にわたって計400問程度のマークシート方式で行われます(※近年は2日間に短縮)。
試験は大きく分けて「必修問題」「一般問題」「臨床問題」の3カテゴリーで構成されており、特に「必修問題」は絶対評価で80%以上の正答率を得なければ、他の問題がどれだけ高得点であっても不合格となる厳しい基準が設けられています。
【合格ラインのイメージ】
・必修問題:80%以上(絶対評価/1問のミスが命取りに)
・一般・臨床問題:年度ごとの相対評価(概ね65〜70%前後がライン)
・禁忌肢:規定数以上の選択で即不合格
また、選択すると即不合格につながる「禁忌肢(選択してはならない選択肢)」が数問含まれており、倫理観や患者の生命に関わる致命的な判断ミスを犯さない適性も試されます。
国家試験に合格して医師免許を取得しても、すぐに一人前の医師として自由に診療を行えるわけではありません。医師法により、2年間の「初期臨床研修」を受けとることが義務付けられています。
初期研修制度の目的は、専門分野に偏らず、頻度の高い負傷や疾病に対応できる「基本的な診療能力(プライマリ・ケア)」を身につけることです。
研修医は大学病院や厚生労働省が指定する臨床研修病院に所属し、スーパーローテーション方式と呼ばれる仕組みで、多様な診療科を数か月単位で回ります。
初期研修2年間のローテーション例
| 年次 | 診療科・研修分野 | 期間 | 主な目的・研修内容 |
| 1年目 | 内科 | 24週(約6ヶ月) | 一般内科疾患の診断・管理、基本的な診療能力の修得 |
| 救急 | 12週(約3ヶ月) | 救急プライマリ・ケア、急変時対応・一次/二次救急 | |
| 外科 | 8週(約2ヶ月) | 術前・術後管理、基本的な外科的手技の習得 | |
| 小児科 | 4週(約1ヶ月) | 小児疾患の診察、小児特有の発達・救急対応 | |
| 2年目 | 産婦人科 | 4週(約1ヶ月) | 周産期管理、女性特有疾患の基礎知識習得 |
| 精神科 | 4週(約1ヶ月) | メンタルヘルスケア、問診・面接技法の習得 | |
| 地域医療 | 4週(約1ヶ月) | 診療所・地域病院でのプライマリ・ケアおよび在宅医療 | |
| 選択科目 | 24週(約6ヶ月) | 将来進む専門科やさらに深く学びたい診療科の自由履修 |
必須選択科目として「内科」「救急」「地域医療」などが定められており、それに加えて小児科、産婦人科、精神科、外科などを履修します。2年目の後半には自由度の高い「選択期間」が設けられており、将来進みたい専門科を中心に研修を積むことが一般的です。
初期研修の2年間を修了すると、次は「新専門医制度」に基づいた専門研修(後期研修)へ進みます。ここで初めて自分の専門とする診療科を決定し、3〜5年間のプログラムに参加します。
専門研修を受ける医師は「専攻医」と呼ばれ、基本領域(19学会)の専門医取得を目指して、より実践的・専門的な症例経験を重ねていきます。
【医師のキャリアステップ】
| ステップ | 段階 | 期間 | 主な内容・立場 |
| ステップ1 | 医学部 | 6年間 | 医学教育の履修・臨床実習 |
| ステップ2 | 医師国家試験 合格 | — | 医師免許の取得 |
| ステップ3 | 初期臨床研修 | 2年間 | 研修医(主要な診療科をローテーションし基本診療能力を修得) |
| ステップ4 | 専門研修 | 3〜5年間 | 専攻医(選択した基本領域の専門的研修を受ける) |
| ステップ5 | 専門医取得・サブスペシャリティ研修 | — | 各科専門医の取得、さらに高度・細分化された領域の研修へ |
19の基本領域には、内科、外科、小児科、皮膚科、精神科、麻酔科などが含まれ、基本領域の専門医を取得した後に、さらに細分化された「サブスペシャリティ領域(例:消化器内科、呼吸器外科など)」の専門医を目指すのが現代の一般的な医師のキャリアパスです。
医師の仕事は、選択する診療科によって「対象とする患者」「治療手段(薬物療法か手術か)」「オンコールや緊急呼出の頻度」が大きく異なります。ここでは、主要な診療科の具体的な仕事内容と特徴を解説します。
内科は、主に薬物療法を用いて全身の病気を診断・治療する診療科です。問診、聴診、血液検査、画像検査などを駆使して病気の原因を突き止めます。
外科は、主に手術によって病変を切除・修復し、病気を根治させる診療科です。
出生直後の新生児から15歳前後の思春期までの子どもを対象に、全身のあらゆる疾患を診る「子供の内科医」です。
女性の生涯にわたる健康をサポートする科で、お産を扱う「産科」と、女性特有の疾患を扱う「婦人科」に分かれます。
認知症、鬱病、統合失調症、発達障害など、心や脳の働きに関する不調を専門に診る診療科です。
主に手術室において、患者が痛みを全く感じず、安全に手術を受けられるように全身管理を行うスペシャリストです。
診療科を選ぶ際、仕事内容だけでなく「平均年収」や「当直・緊急呼出の多さ(勤務スタイル)」も重要な比較要素となります。
労働条件や勤務病院の規模、地域によって大きく変動しますが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」や各種医療医師人材バンクのアンケート結果などを基に作成した、診療科別の平均年収および勤務スタイルの傾向は以下の通りです。
| 診療科 | 平均年収(目安) | 救急・当直の頻度 | ワークライフバランス | 特徴・傾向 |
| 脳神経外科 | 1,300〜1,600万円 | 非常に多い | △(非常に多忙) | 脳卒中など緊急手術が多く高収入傾向だがハード |
| 産婦人科 | 1,300〜1,500万円 | 非常に多い | △(オンコール多) | 分娩対応による夜間呼出が多く、手当も手厚い |
| 整形外科 | 1,200〜1,400万円 | やや多い | ◯(コントロール可) | スポーツ外傷から高齢者の手術まで需要が極めて高い |
| 消化器外科 | 1,200〜1,400万円 | 多い | △(手術時間が長い) | 長時間手術や術後管理が多く体力が必要 |
| 内科全般 | 1,100〜1,300万円 | 普通 | ◯(施設による) | カテーテル等を扱う循環器系は多忙、一般内科は安定 |
| 小児科 | 1,000〜1,200万円 | 多い | △〜◯(夜間外来対応) | 当直や小児救急対応の負担が比較的高い |
| 眼科・皮膚科 | 1,000〜1,200万円 | 少ない | ◎(非常に高い) | 入院患者が少なく、命に関わる急変が少ないため安定 |
| 精神科 | 1,000〜1,200万円 | 少ない | ◎(非常につきやすい) | 定時退勤しやすく、アルバイト(非常勤)需要も豊富 |
※上記数値は、病院勤務医・開業医を含めた総合的な目安です。
データから分かる通り、医師の働き方は診療科によって明確に二極化しています。
【ワークライフバランス・QOL重視(マイナー科・マイペース科)】
・眼科、皮膚科、精神科、放射線科、麻酔科
→ 緊急呼出が少なく、定時に帰りやすい。プライベートや育児との両立が比較的容易。
【臨床・手術・救急重視(メジャー科・アクティブ科)】
・心臓血管外科、脳神経外科、産婦人科、救急科、循環器内科
→ 生命の危機に直接立ち向かう場面が多く、やりがいは絶大。しかし、当直・夜間呼出が日常的。
年収に関しても、緊急対応の手当が多い科や、開業した際のアタッチメント(自由診療や特定の手術)が多い科ほど高くなる傾向にあります。
初期研修を終える段階で、どの診療科に進むべきか迷う医師は少なくありません。生涯のキャリアを見据えた失敗しない診療科選びのポイントを3つ解説します。
将来、結婚や子育て、介護などのライフイベントが発生した際、どのように働きたいかを想定しておくことが大切です。「出産後も無理なく臨床を続けたいから皮膚科や眼科を選ぶ」「若いうちはハードでも症例数を稼ぎたいから消化器外科に進む」といった、中長期的な視点が欠かせません。
医学の面白さは、大きく分けて「自分の手を動かして直す技術(手術や処置)」と「様々な症状から原因を診断・推論する思考プロセス」に分かれます。
自分が臨床のどのようなプロセスに魅力を感じるかを振り返ることが、満足度の高い専門科選びにつながります。
将来的にクリニックを開業したいと考えている場合、開業しやすい診療科(内科、皮膚科、眼科、整形外科、精神科など)を選択しておく方が無難です。一方、心臓血管外科や放射線治療科などは、大規模な医療設備が必要となるため、基本的に大病院での勤務医としてのキャリアが中心となります。将来の働き方のスタイルも考慮しておきましょう。
最後に、本記事の要点をまとめます。
医師としてのキャリアは長く、専門科の選択は人生を左右する大きな決断です。仕事内容やデータに基づいた働き方の特徴を把握し、自分が最も情熱を傾けられる診療科を見つけてください。
「転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部」は、医療、介護、保育の求人サイト「ジョブジョブ」の運営メンバーによる記事編集部門です。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に関わる方に向けた、今後のキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
2024年4月より「医師の働き方改革」が本格的に施行され、医療現場はかつてない大きな転換期を迎えています。これまで日本の高品質な医療は、医師の長時間労働という自己犠牲の上に成り立っ...
超高齢社会を迎えた日本において、「認知症ケア」に関する正しい知識や技術を持つ人材の需要は年々高まっています。介護現場で働くプロはもちろん、家族の介護を行っている方や、これから福祉業...
日本の超高齢社会が急速に進む中、美容業界で今最も注目を集めているのが「訪問美容」です。加齢や病気、障害などにより美容室へ足を運ぶことが困難な方々に対し、ご自宅や介護施設に直接訪問し...
「救命救急センターの夜勤って、休む暇もないほど過酷って本当?」 「一般病棟の夜勤と比べて、仕事内容はどう違うの?」 医療ドラマなどで華々しく描かれることが多い「救命救急センタ...
「栄養士と管理栄養士って何が違うの?」「どうすれば栄養士になれる?」 食のスペシャリストである栄養士に興味を持ち、このような疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。 現...
薬局やドラッグストアで医薬品を販売できる国家資格として人気の「登録販売者」。就職・転職の強みになるだけでなく、時給アップや手当の対象としても注目を集めています。 しかし、「独...
「介護福祉士って具体的にどんな仕事をするの?」「資格を取ると年収や待遇はどれくらい上がる?」と気になっていませんか? 介護福祉士は、社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ介護業界で...
臨床心理士は、心理学の専門知識と技術を用いて人々の心の問題に寄り添う心理ケアのプロフェッショナルです。 近年、ストレス社会やメンタルヘルス意識の高まりに伴い、心理カウンセラー...
公認心理師を目指したいけれど、「具体的な仕事内容がわからない」「自分に必要な受験資格のルートはどれ?」「臨床心理士と何が違うの?」と疑問を感じていませんか? 公認心理師は、2...
「精神保健福祉士(PSW)」という名前は知っていても、具体的な仕事内容や社会的な役割、取得するメリットまで正確に把握している方は少ないのではないでしょうか。 近年、ストレス社...
| 給与 | 【パート・バイト】 時給11428〜14285 |
|---|---|
| 仕事内容 | ・美容皮膚科領域での診療業務 ・ボトックス注射、ヒアルロン酸注入 ・医療脱毛、スキンケア系レーザー施術 ・美肌点滴、ダイエット点滴など注射処置 ・治療前後のフォロー対応 ・看護師や受付との連携、治療計画調整 ・患者様の安全・衛生管理 ・最新の美容医療知識の活用 変更範囲:変更なし |
| 応募要件 | 年齢:(64歳以下) 学歴:不問 必要な経験:・美容クリニックでの勤務経験 必要な免許・資格:不問 |
| 住所 | 東京都 新宿区 新宿3−25−9 モアビル7F 東京メトロ丸ノ内線 新宿駅から徒歩で2分 小田急線 新宿駅から徒歩で6分 都営大江戸線 新宿西口駅から徒歩で5分 |