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介護職員の採用はなぜ難しい?人材不足の現状と採用を成功させる5つのポイント・成功事例を徹底解説!

介護職員の採用はなぜ難しい?人材不足の現状と採用を成功させる5つのポイント・成功事例を徹底解説!

高齢化が急速に進む日本において、介護施設・事業所における「介護職員の人材不足」は、もはや経営の死活問題となっています。多くの施設の採用担当者や経営者が、「求人を出しても全く応募が来ない」「高い紹介手数料を払って採用しても、すぐに辞めてしまう」と頭を抱えているのが現状です。

介護業界の採用は本当にそれほど難しいのでしょうか。結論から言えば、現在の労働市場のデータを見る限り、採用のハードルはかつてないほど高まっています。しかし、その一方で継続的に人材を獲得し、定着させている施設が存在するのも事実です。

本記事では、最新のデータを用いて介護人材不足の背景を読み解きながら、なぜ採用が難しいのかを論理的に解説します。さらに、採用活動を成功に導くための5つのポイントと、実際に採用難を乗り越えた法人の成功事例を詳しくご紹介します。自社の採用戦略を見直し、安定した人材確保を実現するためのヒントとしてぜひご活用ください。

1. 介護業界における人材不足の現状と深刻なデータ

介護職員の採用がいかに困難な状況にあるかを知るためには、客観的なデータを見ることが最も近道です。ここでは、厚生労働省や介護労働安定センターが公表している最新の数値をもとに、介護業界の現状を解説します。

異常に高い有効求人倍率

採用の難易度を測る指標として最もわかりやすいのが「有効求人倍率(求職者1人あたりに何件の求人があるか)」です。以下の表は、全職業の平均と介護関係職種の数値を比較したものです。

表1:有効求人倍率の比較(令和7年9月時点)

区分有効求人倍率状況の解説
全職業平均1.10倍求職者と求人数のバランスが比較的取れている状態
介護関係職種(全国)4.02倍求職者1人に対して約4件の求人があり、激しい奪い合い
介護関係職種(東京都)8.73倍都市部ではさらに深刻化し、採用競争が極めて熾烈な状態

全国の介護関係職種の有効求人倍率は4.02倍と、全職業平均を大きく上回っています。特に東京都では8.73倍と突出しており、訪問介護などに至っては14倍を超えるケースも見られるほどです。これは、1人の介護職を複数の施設で奪い合っている「超・売り手市場」であることを意味しています。

「2040年問題」と必要とされる介護人材の数

高齢者人口がピークを迎える2040年に向けて、介護人材の需要はさらに拡大し続けます。厚生労働省の推計によると、将来必要となる介護人材の数は以下の通りです。

表2:将来必要となる介護職員数(厚生労働省推計)

年度必要な介護職員数2022年度(約215万人)からの追加必要数
2026年度(令和8年度)約240万人+約25万人
2040年度(令和22年度)約272万人+約57万人

2040年度には全国で約272万人の介護職員が必要となり、現状からさらに約57万人もの人材を新たに確保しなければならないと推計されています。

【誤解】実は介護職員の離職率は全産業平均より低い

「介護職は離職率が高いから人手不足になる」というイメージを持つ方が多いですが、最新のデータはこの常識を覆しています。

表3:離職率と人手不足感のギャップ(令和7年度 介護労働実態調査)

指標数値比較・備考
介護職員の離職率12.4%全産業平均(14.2%)を下回っている
全産業平均の離職率14.2%介護業界のほうが定着している傾向
事業所の人手不足感65.8%離職率は低いのに、6割以上の施設が人手不足を痛感

令和7年度(2025年度)の調査結果によると、介護職員の離職率は12.4%であり、全産業平均の14.2%を下回っています。国を挙げた処遇改善加算などの取り組みにより、定着率は着実に向上しているのです。しかし、それにもかかわらず65.8%の事業所が「人手不足感」を抱えています。これは「辞める人が多い」からではなく、「事業拡大や利用者の増加に対して、新しく採用できる人数が圧倒的に足りていない」という根本的な採用難が原因です。

2. なぜ介護職員の採用は難しいのか?人材不足に陥る3つの背景

データから見えた過酷な採用市場において、なぜこれほどまでに人が集まらないのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの理由が存在します。

他業種・競合他社との激しい人材獲得競争

日本の生産年齢人口(15〜64歳)が減少の一途をたどる中、人材不足に悩んでいるのは介護業界だけではありません。飲食、小売、物流、ITなど、あらゆる産業が未経験者の採用に力を入れています。

求職者は「数ある選択肢の中から、より自分に合った働き方ができる業種」を選びます。有効求人倍率が4倍を超える状況下では、近隣の介護施設だけでなく、全く別の業界も強力な採用競合となります。賃金や休日の条件で他業界に見劣りする場合、求職者の選択肢にすら入らないという事態が発生しています。

ネガティブなイメージと実際のギャップ

かつて言われた「きつい・汚い・危険」という3Kのイメージや、「給料が安い」「夜勤があって不規則」といったネガティブな先入観が、いまだに世間に根強く残っています。

実際には、介護ロボットやICTの導入による業務負担の軽減、国主導の処遇改善による給与水準の向上など、働きやすい環境へと進化している施設は数多く存在します。しかし、この「ポジティブな変化」が求職者に正しく伝わっておらず、古いイメージのまま敬遠されてしまっていることが採用難に拍車をかけています。

採用手法のミスマッチ(旧態依然の募集手法)

「ハローワークに求人を出し、折り込みチラシを撒いて応募を待つ」という従来の「待ちの採用」では、今の時代、人は全く集まりません。現代の求職者は、スマートフォンを使って複数の求人媒体を比較し、さらにその施設の公式ホームページやSNSをチェックして職場の雰囲気を探ります。

Web上での情報発信が不足していたり、採用サイトのスマートフォン対応が遅れていたりする施設は、それだけで求職者から「古い体質の施設かもしれない」と判断され、応募の機会を逃してしまっています。

3. 介護職員の採用を成功させるための5つのポイント

圧倒的な売り手市場の中で採用を成功させるためには、従来の手法を見直し、戦略的に採用活動を展開する必要があります。ここでは、明日から実践できる5つのポイントを解説します。

ターゲット(求める人物像)の明確化と細分化

「誰でもいいから来てほしい」という曖昧なメッセージは、誰の心にも響きません。どのような人材を採用したいのか、ペルソナ(具体的な人物像)を明確に設定することが第一歩です。

例えば、「子育て一段落で日中だけ働きたい40代主婦」「異業種からキャリアチェンジを目指す20代若手」など、ターゲットを絞り込みます。ターゲットが明確になれば、「残業なし・土日休み相談可」「資格取得支援制度あり」など、打ち出すべきアピールポイントも自然と決まってきます。

魅力ある労働環境の整備と「休みやすさ」の提供

給与面での待遇改善はもちろん重要ですが、最近の求職者が重視しているのは「働きやすさ」です。令和7年度の調査でも、人材定着において賃金以上に「休みやすさ(有給の取りやすさや柔軟なシフト)」が効果的であることが分かっています。

ICT化による残業の削減、短時間勤務の導入、職員同士がカバーし合える人員配置など、労働環境をアップデートし、それを求人のキャッチコピーとして前面に押し出すことが採用力強化に直結します。

求職者に届く「採用広報」とWeb戦略

現代の採用活動において、自社専用の採用サイトやSNSの活用は不可欠です。求職者が最も知りたいのは「給与額」だけでなく、「どんな人と一緒に働くのか」「職場の雰囲気は良いか」という定性的な情報です。

スタッフのインタビュー動画、1日のスケジュールの紹介、施設内の写真などを豊富に掲載し、施設のリアルな魅力を発信(採用広報)しましょう。透明性の高い情報開示は、求職者の不安を払拭し、応募への心理的ハードルを大きく下げます。

選考プロセスのスピード化と丁寧な対応

求職者は同時に複数の施設に応募しているケースがほとんどです。応募があってから面接の設定までに数日かかっているようでは、あっという間に他施設に人材を奪われてしまいます。

「応募があったら24時間以内に連絡する」「履歴書不要で見学兼カジュアル面談を行う」など、選考スピードを極限まで上げることが重要です。また、面接官の態度がそのまま施設のイメージにつながるため、求職者をお客様として迎え入れる丁寧な姿勢が求められます。

離職を防ぐ「定着支援(オンボーディング)」との連動

せっかく採用できても、すぐに離職されては採用コストが無駄になります。採用活動は「入社したら終わり」ではなく、「戦力として定着するまで」がセットです。

入社後数ヶ月間は専属の先輩スタッフがつくメンター制度の導入や、定期的な面談(1on1)の実施など、新人が孤立せずに仕事を覚えられるオンボーディング体制を構築することが、中長期的な人材不足解消の鍵を握ります。

4. 【事例紹介】採用難を乗り越えた介護施設の成功事例

理論だけでなく、実際に工夫を凝らして人材獲得に成功している法人の事例を2つご紹介します。

事例1:SNS活用と「リアルな日常」の発信で若手採用に成功したA法人(特別養護老人ホーム)

地方都市にあるA法人は、長年ハローワーク経由での採用が中心で、応募者の高齢化に悩んでいました。そこで、20代・30代の若手獲得を目指し、職員主導でInstagramとTikTokの運用を開始しました。

あえて「綺麗な施設」をアピールするのではなく、スタッフ同士の掛け合いや、レクリエーションでの失敗談、夜勤明けのリアルな感想など「飾らない日常」を動画で発信。結果として、「職場の人間関係が良さそう」「自分も楽しく働けそう」と共感した若年層からの直接応募が急増し、高額な人材紹介会社に頼ることなく、1年間で5名の若手人材の採用に成功しました。

事例2:「休みやすさ」の数値化と柔軟シフトで主婦層を獲得したB施設(訪問介護事業所)

訪問介護は有効求人倍率が特に高く、B施設も慢性的なヘルパー不足に陥っていました。そこでB施設は、令和の最新データにもある「休みやすさ」のニーズに着目。ターゲットを「子育て中の主婦」に絞り込みました。

「週1日・2時間からOK」「子どもが急に熱を出した時の100%バックアップ体制」をルール化し、求人サイトで大々的にアピール。「有給消化率95%」といった具体的な数字も掲載しました。これにより、「これなら私でも働ける」と感じた潜在的な有資格者(過去に離職した介護福祉士など)からの応募が殺到し、安定したシフト稼働を実現しています。

5. まとめ:採用と定着は両輪!自社の魅力を正しく発信しよう

介護職の有効求人倍率が4倍、都市部では8倍を超える現状において、「待っているだけの採用」が通用しないことは明らかです。2040年にはさらに約57万人の介護人材が必要とされる中、人材獲得競争は今後さらに激化していくでしょう。

しかし、離職率が全産業平均よりも低いというデータが示す通り、介護は一度定着すれば長く続けられる魅力とやりがいのある仕事です。採用を成功させるためには、自社が提供できる「働きやすさ」や「職場の雰囲気」という魅力を言語化し、WebやSNSを通じてターゲットにしっかりと届ける採用広報が必要不可欠です。

まずは自社の労働環境を見直し、求職者目線に立った魅力的な求人票・採用サイト作りから始めてみてはいかがでしょうか。採用と定着を両輪で回すことが、選ばれ続ける介護施設になるための最短ルートです。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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