ジョブジョブ 転職ノウハウ

居宅ケアマネと施設ケアマネの違いとは?仕事内容・給料・働きやすさを現役目線で解説

居宅ケアマネと施設ケアマネの違いとは?仕事内容・給料・働きやすさを現役目線で解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を取得した後、あるいは転職を考える際に多くの人が悩むのが、「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」のどちらを選ぶべきかという選択です。

同じケアマネジャーという職種でありながら、働く場所が「在宅(居宅)」か「施設」かによって、日々の業務内容、働き方、給与体系、そして求められるスキルは大きく異なります。

「自分にはどちらの働き方が合っているのだろう?」 「未経験から挑戦しやすいのはどっち?」

この記事では、そんな疑問を解消するために、居宅ケアマネと施設ケアマネの決定的な違いを5つの軸で徹底比較します。それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴も詳しく解説しますので、あなたのキャリア選択の参考にしてください。

1. 居宅ケアマネと施設ケアマネの根本的な違いとは?

居宅ケアマネと施設ケアマネの最も大きな違いは、「ケアプラン(介護サービス計画書)を提供する対象者がどこに住んでいるか」です。

まずは、それぞれの基本的な定義と役割を押さえておきましょう。

居宅ケアマネ(居宅介護支援事業所)

居宅ケアマネは、自宅で暮らす高齢者(在宅の要介護者)を対象にケアマネジメントを行います。

利用者が住み慣れた地域や自宅で自立した生活を続けられるよう、さまざまな介護サービス事業所(デイサービス、訪問介護、福祉用具貸出など)や医療機関と連携し、最適なケアプランを組み立てるのが役割です。

施設ケアマネ(介護保険施設など)

施設ケアマネは、特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)、有料老人ホームなどの施設に入所している高齢者を対象にします。

施設という限られた環境の中で、利用者が安全かつ快適に日常生活を送れるよう、施設内のスタッフ(介護職、看護師、リハビリ職など)と連携してケアプランを作成します。

以下の表に、両者の基本的な違いをまとめました。

項目居宅ケアマネジャー施設ケアマネジャー
主な勤務先居宅介護支援事業所特養、老健、有料老人ホーム、グループホームなど
対象となる利用者自宅で暮らす要介護者施設に入所している要介護者
担当件数の目安1人あたり約35件〜44件(上限あり)1人あたり約50件〜100件(施設種別による)
主な連携先外部の多様な介護サービス・医療機関施設内の多職種(介護職・看護師・相談員など)
兼務の有無ケアマネ業務に専念することが多い介護職や生活相談員との兼務が多い

2. 【業務内容を比較】1日のスケジュールと主な仕事

具体的なイメージを持つために、それぞれの代表的な業務内容と1日のスケジュール例を見ていきましょう。

居宅ケアマネの仕事内容とスケジュール

居宅ケアマネの業務は「移動」と「調整」が中心です。月に1回は必ず利用者の自宅を訪問(モニタリング)する必要があるため、アクティブに外出する機会が多くなります。また、外部のサービス事業所を集めて「サービス担当者会議」を主催するのも重要な仕事です。

【居宅ケアマネの1日(例)】

  • 09:00 〜 出勤、メール・FAXチェック、当日の準備
  • 10:00 〜 利用者宅へ訪問(1件目:モニタリング)
  • 11:30 〜 利用者宅へ訪問(2件目:新規インテーク)
  • 12:30 〜 休憩(外出先や事務所でランチ)
  • 13:30 〜 サービス担当者会議の開催(利用者宅にて)
  • 15:30 〜 帰社、ケアプラン作成、給付管理業務、電話対応
  • 17:30 〜 翌日の準備、退勤

施設ケアマネの仕事内容とスケジュール

施設ケアマネの業務は「施設内での連携」と「現場サポート」が中心です。対象者が施設内にいるため、移動の時間はほとんどありません。様子が気になればすぐにフロアに見に行くことができます。一方で、施設ケアマネは「介護職」や「生活相談員」を兼務しているケースが多く、純粋なケアマネ業務以外の仕事をこなす時間が長くなる傾向があります。

【施設ケアマネの1日(例)】

  • 09:00 〜 出勤、申し送り会議(夜勤帯からの引き継ぎ確認)
  • 10:00 〜 施設内巡回(利用者の状態確認、声かけ)
  • 11:00 〜 入所者のケアプラン作成、アセスメント
  • 12:00 〜 休憩
  • 13:00 〜 新しい入所者の家族と面談(契約・インテーク)
  • 14:30 〜 カンファレンス(施設内の看護師・介護職との会議)
  • 16:00 〜 介護補助(おやつ介助や夕方の見守りなど)
  • 18:00 〜 退勤

3. 【給与・待遇を比較】どちらの方が稼げる?

転職を検討する上で外せないのが給与面の違いです。結論から言うと、平均年収や月給ベースでは「施設ケアマネ」の方が高くなる傾向があります。

その理由は、施設ケアマネ特有の「手当」と「兼務」にあります。

  • 夜勤手当の有無施設ケアマネが介護職を兼務している場合、夜勤に入ることがあります。夜勤に入ると1回あたり数千円〜1万円程度の夜勤手当がつくため、その分総支給額が高くなります。
  • 基本給・賞与の安定性大手の社会福祉法人や医療法人が運営する施設の場合、経営基盤が安定しており、賞与(ボーナス)が高めに設定されていることが多いです。

一方、居宅ケアマネは基本的に日勤のみで夜勤がないため、手当による上乗せが期待しにくい側面があります。ただし、居宅でも「主任ケアマネジャー」の資格を取得したり、事業所の管理者になったりすることで、資格手当や役職手当がつき、施設ケアマネ以上の高収入を目指すことは十分に可能です。

4. 【働きやすさを比較】残業・休日・人間関係のリアル

働く環境やメンタル面への影響についても、2つの職種には明確なコントラストがあります。

休日と勤務時間

  • 居宅ケアマネ:土日休み・日勤のみが多い多くの居宅介護支援事業所は、土日祝日を定休日としています。カレンダー通りに休めるため、家族や友人との予定を合わせやすく、プライベートの計画が立てやすいのが魅力です。
  • 施設ケアマネ:シフト制・夜勤ありの場合も施設は24時間365日稼働しているため、基本的にはシフト制での勤務となります。土日や年末年始に勤務することもある反面、平日に休みを取りやすいというメリットもあります。

残業の多さ

  • 居宅ケアマネ:月末月初に集中しやすい毎月1日〜10日頃に行われる「給付管理業務(レセプト)」の時期は、書類作成や確認作業に追われて残業が発生しやすくなります。ただし、それ以外の時期はスケジュールを自己管理しやすいため、定時退勤も可能です。
  • 施設ケアマネ:突発的な残業が発生しやすい現場の介護スタッフが急に休んだ際の穴埋めや、入所者の急変・事故対応などに巻き込まれると、予定外の残業が発生することがあります。

人間関係のストレス

  • 居宅ケアマネ:外部との調整ストレス、孤独感理不尽な要求をするクレーマー気質の利用者・家族や、連携がスムーズにいかない外部のサービス事業者との板挟みになるストレスがあります。また、単独での行動が多いため、悩みを一人で抱え込みがちになることもあります。
  • 施設ケアマネ:施設内の多職種連携による人間関係介護職、看護師、リハビリ職、医師など、異なる視点を持つプロフェッショナルが同じ建物内にいます。それぞれの主張がぶつかり合う中で、ケアマネとして間を取り持つバランス感覚が求められるため、学閥や派閥といった施設内の人間関係に悩まされることがあります。

5. 居宅ケアマネのメリット・デメリット

ここで、居宅ケアマネとして働く場合のメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

  • スケジュールを自分でコントロールしやすい1日の訪問予定や書類作成の時間を自分の裁量で決められるため、自由度が高い働き方ができます。
  • ケアマネジメントの深いスキルが身につく医療、福祉、地域資源など、ありとあらゆる社会資源を組み合わせてプランを作るため、ケアマネジャーとしての本質的な実力が磨かれます。
  • 夜勤がなく、規則正しい生活ができる原則として日勤帯のみの勤務なので、体力的・精神的な負担が少なく、長く働き続けやすい環境です。

デメリット

  • 携帯電話の「オンコール(持ち回り)」がある場合も事業所によっては、夜間や休日に利用者からの緊急連絡を受けるための携帯電話をバトンタッチで持たされることがあり、気が休まらない瞬間があります。
  • 移動による体力消耗がある雨の日も風の日も、自転車や軽自動車で利用者の自宅を回らなければならないため、天候に左右される負担があります。

6. 施設ケアマネのメリット・デメリット

続いて、施設ケアマネとして働く場合のメリットとデメリットです。

メリット

  • 利用者の状態をリアルタイムで把握できる毎日同じ建物内で利用者の様子を見ることができるため、小さな変化に気づきやすく、ケアプランへの反映がスムーズです。
  • 未経験からでも挑戦しやすい困ったときは、同じ施設内にいる先輩ケアマネや生活相談員、看護師などにすぐ相談できる環境があるため、資格を取り立ての人でも安心感があります。
  • 移動がなく、天候に左右されないすべての業務が施設内で完結するため、移動に伴う体力的負担や事故のリスクがありません。

デメリット

  • 「介護職」との兼務で本来の業務に集中できないことも人手不足の施設では、食事介助、入浴介助、オムツ交換、レクリエーションなどの現場業務に駆り出されることが多く、「いつまでも書類作成が終わらない」というジレンマに陥りがちです。
  • 担当件数が多く、一人ひとりと深く関わりにくい居宅に比べて1人で担当する利用者数が多いため、事務的な対応になってしまうことがあります。

7. あなたはどっち?タイプ別おすすめ診断

これまでの特徴を踏まえ、あなたがどちらのケアマネジャーに向いているかを診断してみましょう。

居宅ケアマネに向いている人

  • 土日祝日はしっかり休んで、家族との時間や趣味を大切にしたい人
  • 自分のペースでスケジュールを組み立てて、裁量を持って働きたい人
  • 利用者が自宅でその人らしく暮らすための「在宅介護」を支えたい人
  • フットワークが軽く、外部の人とのコミュニケーションや交渉が得意な人

施設ケアマネに向いている人

  • シフト制の働き方に抵抗がなく、平日休みを有効活用したい人
  • ケアマネ業務だけでなく、時には現場の介護にも携わって体を動かしたい人
  • チーム医療・チームケアの一員として、多職種とワイワイ意見を交わしながら働きたい人
  • 未経験なので、周りにいつでも相談できる先輩がいる環境でスタートしたい人

8. まとめ:ライフスタイルや理想の働き方に合わせて選ぼう

居宅ケアマネと施設ケアマネは、名前こそ同じ「ケアマネジャー」ですが、その中身は「独立したコーディネーター」と「施設チームの一員」というほど大きな違いがあります。

どちらが良い・悪いということは決してありません。

  • 規則正しい生活とケアマネとしての専門性を極めたいなら居宅ケアマネ
  • 安定した給与と、多職種連携による安心感を求めるなら施設ケアマネ

まずは自分が大切にしたい「ライフスタイル」や「理想の介護のあり方」を明確にすることから始めてみてください。あなたの強みを最大限に活かせる職場で、ケアマネジャーとしてのキャリアを輝かせましょう!

なるほど!と思ったらシェアしよう!

この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

「転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部」は、医療、介護、保育の求人サイト「ジョブジョブ」の運営メンバーによる記事編集部門です。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に関わる方に向けた、今後のキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

あわせて読みたい記事

おすすめの新着求人