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【2026年最新】退職金とは?制度の種類・支給額の平均相場・税金の計算方法を完全ガイド

【2026年最新】退職金とは?制度の種類・支給額の平均相場・税金の計算方法を完全ガイド

長年勤め上げた会社を退職する際、あるいは転職を検討する際に、多くの人が気になるのが「退職金(退職給付)」です。退職金は老後の生活資金や、次のステップへの準備金として重要な役割を果たします。しかし、「自分の会社にはそもそも退職金制度があるのか」「いくらもらえるのか」「税金はどのくらい引かれるのか」など、具体的な仕組みを正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、退職金の基本的な定義から、企業が導入している主な制度の種類、学歴や企業規模別の平均支給額データ、そして気になる税金の計算方法までを網羅的に解説します。手取り額を最大化するための手続きについても触れていますので、今後のライフプランニングにぜひお役立てください。

1. 退職金(退職給付制度)とは?

退職金とは、従業員が企業を退職する際に支払われる金銭のことです。法的な正式名称は「退職給付」と呼ばれ、これまでの労働に対する「賃金の後払い」としての性格や、長年の功労に対する「報奨金」、さらには退職後の生活を保障する「生活保障」といった複数の意味合いを持っています。

意外に思われるかもしれませんが、労働基準法において企業に退職金の支払いを義務付ける法律の規定はありません。厚生労働省が発表した「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付制度を導入している企業の割合は全体の74.9%となっています。つまり、約4社に1社は退職金制度自体が存在しないということになります。

退職金が支給されるか否か、またどのような条件で支給されるかは、各企業が定める「就業規則」や「退職金規程」によって完全に異なります。一般的には、勤続年数が一定基準(例えば3年以上)に達していることが支給の条件とされているケースが多く、自己都合退職か会社都合退職かによっても支給係数が変動する仕組みが採用されています。まずはご自身の会社の規程を確認することが、ライフプランを立てる上での第一歩となります。

2. 退職金制度の主な種類

退職金制度と一口に言っても、企業によって採用している仕組みは様々です。大きく分けると、退職時に一括で支払われる「一時金」と、退職後に分割で受け取る「年金」、そして近年増加している「前払い」の方向性があり、複数の制度を組み合わせている企業も少なくありません。

退職一時金制度

退職時にまとまった金額が一括で支給される、日本で最も伝統的かつ一般的な制度です。勤続年数や退職時の基本給、役職、会社への貢献度などを基に算出された金額が一度に支払われます。定年退職時の住宅ローンの完済や、まとまった老後資金の確保に直結しやすく、従業員にとって受け取りのイメージが湧きやすいというメリットがあります。

確定給付企業年金(DB)

企業が将来支払う年金の給付額をあらかじめ約束(確定)し、企業自身の責任で掛け金を運用する制度です。原則として従業員は運用リスクを負う必要がなく、約束された通りの金額を受け取ることができます。退職後に年金として分割で受け取るか、退職時に一時金としてまとめて受け取るかを選択できる場合が多くなっています。

企業型確定拠出年金(企業型DC)

企業が毎月一定の掛け金を拠出し、従業員自身が投資信託などの金融商品を選んで運用を行う制度です。確定給付型とは異なり、将来受け取れる金額は従業員自身の運用成績によって変動します。運用リスクを従業員が負う一方で、運用益は非課税となり、税制上の大きな優遇を受けながら資産形成ができる点が魅力です。転職時には、次の企業の制度やiDeCo(個人型確定拠出年金)へ資産を移換できるのも現代の働き方に合致した特徴です。

退職金前払い制度

退職時にまとまったお金を支払うのではなく、在職中の毎月の給与や賞与に退職金相当額を上乗せして支給する制度です。従業員にとっては今の収入が増えるため、住宅資金や教育資金など、若い時期の出費に充てやすいメリットがあります。ただし、前払いとして受け取った分は通常の給与として扱われるため、社会保険料や所得税の対象となり、後述する退職金特有の税制優遇が受けられない点には注意が必要です。

3. 【データで見る】退職金の支給額・平均相場

実際に世の中の人々はどれくらいの退職金を受け取っているのでしょうか。ここでは、厚生労働省の統計データを用いて、学歴や企業規模別の平均支給額を客観的な数値で比較します。

まずは、新卒で入社し定年まで勤め上げた「満勤勤続」の場合の、大企業と中小企業の平均額の比較です。

学歴大企業(※1)中小企業(※2)
大学卒2,139万6,000円1,149万5,000円
高校卒2,019万9,000円1,045万8,000円

(※1 出典:厚生労働省・中央労働委員会「令和5年退職金、年金及び定年制事情調査」) (※2 出典:同省データに基づく中小企業モデル水準)

データを見ると、大学卒で定年まで勤めた場合、大企業では約2,100万円超の退職金が支給される一方で、中小企業では約1,100万円台にとどまっており、企業規模による格差が約1,000万円近く生じていることが分かります。

次に、実際の「定年退職者」全体における、企業規模別の退職給付額(厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」)を見てみましょう。

企業規模(従業員数)平均退職給付額(定年退職)
1,000人以上2,191万円
300人〜999人1,662万円
100人〜299人1,347万円
30人〜99人1,282万円

従業員数が多い企業ほど退職金は高くなる傾向が顕著に表れています。また、これらのデータはあくまで「定年」や「会社都合」で退職した場合の数値です。転職などの「自己都合」で退職する場合は、会社が定める支給係数が大幅に引き下げられるのが一般的であり、特に勤続年数が短い段階での自己都合退職では、満額の半分以下の支給額になることも珍しくありません。

4. 退職金にかかる税金(退職所得)と計算方法

退職金は高額になることが多いため、「税金で半分くらい持っていかれるのでは?」と心配する方もいますが、結論から言うと、退職金は税制上非常に優遇されており、手元にしっかりと残る仕組みになっています。

退職金に対する税金は、他の給与所得などとは切り離して計算される「分離課税」という方式がとられます。その最大の優遇措置が「退職所得控除」「1/2課税」のルールです。

退職所得控除の計算

退職金を受け取る際、まずは勤続年数に応じた非課税枠(退職所得控除)が適用されます。この計算式は、勤続年数が20年以下か、20年を超えるかによって大きく異なります。

  • 勤続年数20年以下の部分: 40万円 × 勤続年数(※最低保証額80万円)
  • 勤続年数20年超の部分: 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

たとえば、勤続年数が30年の場合、最初の20年で800万円、残りの10年で700万円(70万円×10年)となり、合計1,500万円もの控除(非課税枠)が得られます。

課税対象額はさらに半分(1/2)に

退職金から上記の「退職所得控除額」を差し引いた金額が、そのまま課税対象になるわけではありません。残った金額を「さらに2分の1」にした金額(課税退職所得金額)に対してのみ、税率が掛けられます。

【シミュレーション例:勤続30年・退職金2,000万円の場合】 以下の図は、勤続30年で2,000万円の退職金を受け取った場合の、おおよその手取り額と税金の流れを可視化したものです。

このケースでは、控除額が1,500万円となるため、課税対象は (2,000万円 − 1,500万円) × 1/2 = 250万円 となります。この250万円に対して所得税(約15.5万円)と住民税(25万円)が計算され、結果的に2,000万円の支給に対して引かれる税金は約40万円に抑えられます。退職金のほとんどが手元に残ることがお分かりいただけるでしょう。

5. 退職金を受け取る際の手続きと注意点

これほど有利な退職金の税制優遇を受けるためには、重要な手続きが一つあります。それは、退職日までに勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出することです。

この申告書を提出することで、勤務先が正しい控除額を適用して税金を正確に計算し、支給時に源泉徴収を行ってくれます。これにより、原則として受給者本人が確定申告を行う必要はなくなります。

万が一、この申告書を出し忘れてしまうと、退職所得控除が適用されず、支給額全体に対して一律で「20.42%」という高い税率で源泉徴収されてしまいます。 前述の2,000万円の例であれば、本来約40万円の税金で済むところ、約408万円もの税金が引かれてしまうことになります。あとから自分で確定申告をすれば払いすぎた税金は還付されますが、一時的にせよ手元資金に大きな影響を与えるため、必ず退職前に申告書の提出を済ませておきましょう。

6. まとめ

退職金は、金額の大きさはもちろん、その税制の優遇度合いから見ても、人生において非常に重要な資産です。ご自身の会社にどのような退職金制度があるのか、現在の勤続年数でいくらもらえる見込みなのか、そして将来の手取り額はどのくらいになるのかを事前に把握しておくことは、豊かな老後設計や計画的な転職において不可欠です。

まずは自社の就業規則や退職金規程を確認し、本記事で解説した税制の仕組みを参考にしながら、より具体的なライフプランを描いてみてください。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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