ジョブジョブ 転職ノウハウ

【未経験・無資格から介護職へ】21時間で取れる「入門的研修」とは?内容やメリット、初任者研修との違いを徹底解説

【未経験・無資格から介護職へ】21時間で取れる「入門的研修」とは?内容やメリット、初任者研修との違いを徹底解説

介護業界への就職や転職を考えているものの、「未経験だから不安」「無資格でも現場で働けるのだろうか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そのような不安を抱える方々に向けて、2018年に創設された比較的新しい制度が「介護に関する入門的研修(入門的研修)」です。

本記事では、この入門的研修の概要をはじめ、受講するメリット、具体的なカリキュラム内容、そして「介護職員初任者研修」など他の主要な介護資格との違いまでを詳しく解説します。これから介護の世界へ足を踏み入れたいと考えている方や、家族介護に役立つ知識を得たい方は、ぜひ本記事を参考にして第一歩を踏み出してみてください。

1. 介護の新しい研修制度「入門的研修」とは?

制度が創設された背景と目的

「介護に関する入門的研修」は、介護人材の裾野を広げることを大きな目的として、2018年(平成30年)に厚生労働省によって創設されました。日本では高齢化が急速に進み、介護現場における人材不足が深刻な社会問題となっています。これまで介護の仕事に就くためには、130時間に及ぶ「介護職員初任者研修」を受講するのが一般的なルートでしたが、時間や費用の面でハードルが高く、未経験者が気軽に足を踏み入れにくいという課題がありました。

そこで、介護に興味を持っているものの経験がない方々に対して、基本的な知識や技術を身につける機会を提供し、業務への不安を払拭するために用意されたのがこの入門的研修です。専門的な身体介護を行う前の段階として、まずは介護の世界を知ってもらい、多様な人材を確保するという国や自治体の狙いがあります。

どのような人が受講対象となるのか?

この研修は、介護に関する資格を持っていない未経験者を対象としています。学歴や実務経験などの厳しい受講条件は一切設けられておらず、介護の仕事に少しでも興味や関心があれば誰でも受講することが可能です。

具体的には、企業を定年退職したシニア層、子育てが一段落して社会復帰を考えている主婦・主夫層、他業種から介護業界への転職を検討している方、さらには夏休み等を利用して受講する高校生など、非常に幅広い年代・背景を持つ人々が受講しています。これから本格的に介護職を目指す方はもちろん、まずは地域のボランティアや短時間のパートタイムから始めてみたいという方にも最適な研修内容となっています。

2. 入門的研修のカリキュラム内容と時間

短期間で学べる「基礎講座」と「入門講座」

入門的研修の最大の魅力は、その受講時間の短さにあります。研修は大きく分けて「基礎講座」と「入門講座」の2段階で構成されており、両方を合わせても合計で21時間という短時間で修了できるように設計されています。

基礎講座は合計3時間となっており、介護保険制度の仕組みや介護業務における安全確保、介護と仕事の両立支援制度など、業界を取り巻く基礎的な知識を座学で学びます。続く入門講座は合計18時間となっており、認知症の理解、障害の理解といった専門的な知識に加え、食事や排泄、入浴などの場面で必要となる「基本的な介護の方法」について学びます。実施団体によっては、座学だけでなくボディメカニクスを活用した身体の動かし方などの実技演習を取り入れている場合もあります。

多くの自治体では、この21時間のカリキュラムを1日3〜7時間程度に分割し、全3〜6日間程度の日程で無理なく学べるようスケジュールを組んでいます。

カリキュラム詳細表

入門的研修の具体的な科目と時間数は以下の通りです。

講座区分科目名時間数内容の例
基礎講座介護に関する基礎知識1.5時間介護保険制度の概要、地域の相談窓口、両立支援制度など
介護の基本1.5時間ボディメカニクスの活用、介護予防・認知症予防の体操など
入門講座認知症の理解4.0時間認知症の基礎知識、接し方のポイントなど
障害の理解2.0時間様々な障害の特性、必要な配慮など
基本的な介護の方法10.0時間介護職の役割、食事・入浴・排泄などの生活支援技術
介護における安全確保2.0時間事故の防止策、緊急時の対応など
合計21.0時間

3. 入門的研修を受講する5つのメリット

入門的研修を受講することには、就職活動から実生活に至るまで多くのメリットがあります。ここでは代表的な5つのメリットを詳しく解説します。

1. 受講料が無料であることが多い

新たに資格やスキルを身につけようとする際、費用の負担は大きな壁となります。しかし、入門的研修の多くは各都道府県や市区町村が公的な事業として実施しているため、受講料が無料に設定されています。テキスト代すらも自治体が負担してくれるケースが多く、金銭的なリスクを負うことなく介護の基礎を学べる点は非常に大きなメリットです。

2. 未経験でも短期間で修了できる

働きながら、あるいは家事や育児と並行して長期間のスクールに通うのは困難です。入門的研修は全21時間、日数にしてわずか数日で完結するため、忙しい方でもスケジュールを調整して参加しやすくなっています。また、修了試験などの厳しいテストが設けられていないことが多く、真面目に講義へ出席していれば確実に修了証を手にすることができる点も、未経験者にとって安心できるポイントです。

3. 上位資格の受講時に一部科目が免除される

入門的研修を修了した後に、さらに本格的な介護の資格である「介護職員初任者研修」や「生活援助従事者研修」を受講したくなった場合、入門的研修で学んだ内容の一部(約10時間分)が免除されます。無駄なくステップアップを図ることができるため、まずは入門的研修で自分に介護の仕事が向いているかを確認し、その後に上位資格へ進むというキャリアパスを描くことが可能です。

4. 介護助手としての就労に繋がりやすい

近年、介護現場では専門的な身体介護を行う「介護職員」と、掃除や洗濯、配膳などの周辺業務を担う「介護助手(介護補助)」の役割分担(タスク・シフト)が進んでいます。入門的研修で基礎知識を身につけた方は、この介護助手として現場にスムーズに入りやすくなります。多くの自治体では研修の最終日に就職説明会や個別マッチングの場を設けており、学んだその日からすぐに仕事を見つけやすい環境が整えられています。

5. 家族の介護など実生活にも活かせる

入門的研修で学ぶ「ボディメカニクス(身体の力学)を活用した安全な介護方法」や「認知症の方への適切な接し方」は、仕事だけでなく家庭での介護にも直結する実用的なスキルです。将来的に身内の介護が必要になった際、この研修で得た知識があるかないかで、精神的・肉体的な負担は大きく変わってきます。自分自身の老後や家族のために受講するという方も少なくありません。

4. 他の主要な介護資格・研修との違い

介護業界には入門的研修のほかにも様々な資格・研修が存在します。ここでは、代表的な「介護職員初任者研修」および「介護福祉士実務者研修」と入門的研修の違いについて解説します。

介護職員初任者研修との比較

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、介護職としてキャリアをスタートさせるための登竜門として最も認知されている資格です。入門的研修が21時間であるのに対し、初任者研修は130時間のカリキュラムが組まれており、より深く実践的な身体介護の技術を学びます。初任者研修を取得すると、訪問介護(ホームヘルパー)として一人で利用者の自宅を訪問し、身体介護を提供することが可能になります。費用は民間スクールで数万円〜十数万円かかるのが一般的です。

介護福祉士実務者研修との比較

実務者研修は、初任者研修のさらに上位に位置する研修であり、国家資格である「介護福祉士」を受験するために必須となる資格です。学習時間は450時間(無資格から受講する場合)に及び、たん吸引や経管栄養といった医療的ケアの基礎知識など、より高度で専門的な内容を網羅します。入門的研修とは目的も対象者も異なり、既に介護現場で働いている方がキャリアアップを目指して受講するケースが大半です。

資格・研修の比較表

それぞれの研修の違いを一目で把握できるよう、比較表にまとめました。

項目入門的研修介護職員初任者研修介護福祉士実務者研修
主な対象者介護未経験者、無資格者介護職として本格的に働きたい方介護福祉士(国家資格)を目指す方
研修時間21時間130時間450時間(無資格者の場合)
受講費用の目安無料(テキスト代含む場合が多い)5万円〜10万円程度10万円〜20万円程度
学習の深さ基礎知識、心構え、初歩的な技術身体介護の実践的技術、専門知識医療的ケアを含む高度な専門知識
修了後の活躍の場介護助手、施設での補助業務、家庭介護訪問介護、各種介護施設での専任スタッフサービス提供責任者、介護福祉士への道

5. 入門的研修の受講方法と申し込みの流れ

実施主体は各自治体

入門的研修は、主に都道府県や市区町村が実施主体となって運営されています。ただし、実際の研修運営は自治体から委託を受けた民間の研修機関や社会福祉協議会などが行っているケースも多くあります。そのため、研修の開催日程や申し込み方法は各自治体によって異なります。お住まいの地域、あるいは就業を希望する地域の自治体ホームページや広報誌を確認することが第一歩です。

申し込みから修了までのステップ

一般的な受講の流れは以下のようになります。

  1. 情報収集・申し込み:自治体のホームページ等で研修日程を確認し、Webフォーム、郵送、またはFAX等で申し込みを行います。
  2. 受講決定通知の受領:定員がある場合は抽選や先着順となります。受講が決定すると、案内書やテキストが送付されます。
  3. 研修の受講:指定された会場、またはオンライン(eラーニングを導入している自治体もあります)で講義を受けます。
  4. 修了証明書の交付:全21時間のカリキュラムを欠席せずに受講すると、最終日に自治体から「修了証明書」が発行されます。
  5. 就労支援(希望者のみ):研修終了後に、地域の介護事業所とのマッチングや就職相談会に参加し、実際の就労へと進むことができます。

まとめ

「介護に関する入門的研修」は、介護業界への入り口として、未経験者にとって非常にメリットの大きい制度です。たった21時間という短期間かつ無料で、介護の基礎知識や基本的な技術を学ぶことができ、修了後には介護助手としての就労や、上位資格へのステップアップなど、様々な選択肢が広がります。

介護の仕事は決して楽なものではありませんが、人と人とが深く関わり合い、直接感謝の言葉をいただける非常にやりがいのある仕事です。「自分にできるか不安」と迷っている方は、まずはこの入門的研修を通じて、介護の世界に触れてみてはいかがでしょうか。得られた知識と技術は、今後のキャリアだけでなく、あなた自身の人生やご家族にとっても必ずプラスになるはずです。

なるほど!と思ったらシェアしよう!

この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

「転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部」は、医療、介護、保育の求人サイト「ジョブジョブ」の運営メンバーによる記事編集部門です。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に関わる方に向けた、今後のキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

あわせて読みたい記事

おすすめの新着求人