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求人票の「残業ほぼなし」とは月何時間?残業の定義から上限規制まで徹底解説

求人票の「残業ほぼなし」とは月何時間?残業の定義から上限規制まで徹底解説

転職活動や就職活動で求人情報を見ていると、「残業ほぼなし」「残業少なめ」という魅力的なキャッチコピーを目にすることが多いのではないでしょうか。ワークライフバランスを重視する方にとって、このような企業は非常に魅力的に映ります。

しかし、「ほぼなしとは具体的に何時間なのか?」「入社してみたら毎日残業だったという事態にならないか?」と不安に感じる方も少なくありません。実は「残業ほぼなし」という言葉には、法律的な明確な定義がないため、企業によって解釈が大きく異なります。

この記事では、求人票における「残業ほぼなし」の具体的な目安時間や、知っておくべき労働基準法における残業の定義、そして残業時間の上限規制について徹底解説します。入社後のミスマッチを防ぐための企業選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 求人票で見かける「残業ほぼなし」は具体的に何時間?

求人票に記載されている「残業ほぼなし」という言葉には、法的な基準が存在しません。そのため、企業側の主観で使われているケースがほとんどですが、一般的な目安として「月の残業時間が10時間未満」であることを指す傾向にあります。

月の残業時間と1日の目安

残業が月10時間未満と言われても、具体的に1日あたりどれくらいの負担になるのかイメージしづらいかもしれません。以下の表は、1ヶ月の出勤日数を20日とした場合の、月の残業時間と1日あたりの残業時間の目安をまとめたものです。

月の残業時間1日あたりの残業時間目安(月20日勤務の場合)働き方のイメージ
0時間なし定時になると一斉に退社する環境
5時間15分定時直後の電話対応や軽い片付け程度
10時間30分業務のキリが良いところまで進めてから帰宅
20時間1時間毎日少しずつ残業が発生している状態
40時間2時間繁忙期や慢性的な人手不足の可能性あり

表を見るとわかるように、月10時間の残業であれば、1日あたりに換算すると「約30分」です。少し業務が長引いたり、終業前の突発的な対応をしたりするだけで到達する時間帯であるため、「定時ぴったりに毎日必ず帰れる(残業ゼロ)」という意味ではないことに注意が必要です。

日本の平均残業時間との比較

では、一般的なビジネスパーソンは月にどれくらい残業をしているのでしょうか。

厚生労働省が発表した「令和5年 毎月勤労統計調査」によると、一般労働者(フルタイム労働者)の1ヶ月あたりの所定外労働時間(残業時間)の平均は13.8時間となっています。また、民間企業の転職サービス等が行った調査データでは、平均残業時間を月20時間前後としているケースも多く見られます。

これらのデータと比較すると、残業時間が月10時間未満に収まる企業は、全国平均よりも労働時間が短く、プライベートな時間を確保しやすい環境であると言えます。

2. そもそも「残業」の定義とは?2種類の残業を理解しよう

残業時間について正しく理解するためには、労働基準法における「労働時間」の考え方を知っておく必要があります。労働時間には大きく分けて「法定労働時間」と「所定労働時間」の2種類があり、これによって「残業」の扱いが変わってきます。

法定労働時間と所定労働時間の違い

「法定労働時間」とは、労働基準法第32条で定められている労働時間の上限です。原則として「1日8時間、週40時間」を超えて労働させることはできません。

一方、「所定労働時間」とは、企業が就業規則や雇用契約において独自に定めている労働時間のことです。法定労働時間の範囲内(1日8時間以内など)であれば、企業が自由に設定できます。

「法定内残業」と「法定外残業」の区別

所定労働時間を超えて働いた時間を一般的に「残業」と呼びますが、法律上は以下の2つに区別されます。この違いは、割増賃金(残業代)の計算において非常に重要です。

残業の種類定義割増賃金(残業代)の扱い
法定内残業会社の所定労働時間は超えたが、法定労働時間(1日8時間・週40時間)には収まっている残業基本的に割増なし(通常の1時間分の賃金が支払われる)※就業規則による
法定外残業法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた残業25%以上の割増賃金を支払う義務がある

たとえば、会社の所定労働時間が「1日7時間」だったとします。この場合、1時間残業をして合計8時間働いたとしても、法定労働時間の8時間以内であるため「法定内残業」となります。しかし、2時間残業をして合計9時間働いた場合は、8時間を超えた1時間分が「法定外残業」となり、割増賃金が発生します。

求人票を見る際は、その会社の所定労働時間が何時間であるかを確認することが大切です。

3. 「残業ほぼなし」の求人に潜む3つの罠と注意点

「残業ほぼなし」と書かれている求人に応募し、入社後に後悔するケースも存在します。ここでは、求人票を見る際に注意すべき3つの罠について解説します。

罠1:みなし残業(固定残業代)が含まれている

最も注意すべきなのが「固定残業代(みなし残業代)制度」を採用しているケースです。これは、あらかじめ一定時間分の残業代を基本給などに含めて支払う制度です。

たとえば「月給25万円(固定残業代20時間分、3万円を含む)」と記載されている場合、月20時間までの残業代は最初から給与に含まれています。「残業ほぼなし」と謳っていても、実際には固定残業時間ギリギリまで働かせることが常態化している企業もあるため、詳細な労働条件の確認が必須です。

罠2:部署や時期によって大きな差がある

企業全体の平均残業時間が月10時間未満であっても、特定の部署だけに業務が偏っている場合があります。たとえば、営業部や企画部は毎晩遅くまで残業しているのに、事務部門が全く残業をしていないため、全社平均を下げているというケースです。

また、年間を通して閑散期は「残業ほぼなし」でも、特定の月(決算期など)だけ月40時間以上の残業が発生するといった季節変動が大きい職種もあります。

罠3:サービス残業(持ち帰り残業)が常態化している

タイムカードや勤怠管理システム上では定時に退社したことになっているものの、実際には仕事を家に持ち帰って夜中まで作業をさせられたり、早朝に出勤して無給で働かされたりするケースです。これは労働基準法違反に該当しますが、数字上は「残業ゼロ」として求人に記載されてしまう悪質な例と言えます。

4. 法律で定められた「残業時間の上限(36協定)」とは?

もし企業が従業員に法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて残業をさせる場合、労働基準法第36条に基づく労使協定、通称「36(サブロク)協定」を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。

2019年4月(中小企業は2020年4月)の働き方改革関連法の施行により、残業時間には法的な上限が設けられ、これに違反した企業には罰則が科されるようになりました。

36協定による残業時間の上限規制

原則としての残業時間(時間外労働)の上限と、臨時的な特別な事情がある場合(特別条項付き36協定)の上限は以下の通りです。

区分残業時間の上限規制
原則の上限月45時間、かつ 年360時間 以内
特別条項を適用した場合(臨時的な事情)年720時間 以内
・単月で100時間未満(休日労働含む)
・複数月(2〜6ヶ月)の平均が80時間以内(休日労働含む)
・月45時間を超えられるのは年6ヶ月まで

このように、いかに企業が残業を命じたとしても、単月で100時間以上の残業は法律で厳格に禁止されています。「残業ほぼなし」の求人を探す場合でも、万が一残業が発生した際に企業がこの法律を遵守している体制にあるかどうかは、ブラック企業を見極める一つの指標になります。

5. 本当に「残業ほぼなし」の企業を見極めるためのチェックポイント

入社後のミスマッチを防ぎ、本当にワークライフバランスの整った優良企業を見つけるためには、求人票の文言を鵜呑みにせず、自ら情報を精査する必要があります。

以下のポイントを重点的にチェックしてみましょう。

  • 面接で具体的な1日のスケジュールを質問する面接の逆質問の時間を活用し、「配属予定の部署において、通常期と繁忙期の大体の退社時間を教えていただけますか?」と具体的に質問してみましょう。曖昧な回答しか返ってこない場合は要注意です。
  • 固定残業代(みなし残業代)の有無を確認する求人票の給与欄を細かく確認し、基本給とは別に何時間分の固定残業代が含まれているかをチェックします。残業がほぼないのであれば、多額の固定残業代を設定する必要はないはずです。
  • 口コミサイトや離職率を調べる企業の評判を確認できる転職口コミサイトを活用し、現職・退職者のリアルな声をチェックしましょう。「求人には残業なしとあったが実際は違った」といった書き込みが複数ある場合は警戒が必要です。また、離職率が異常に高い企業も、労働環境に問題がある可能性が高いと言えます。
  • 採用背景を確認するなぜその求人を募集しているのか(欠員補充なのか、事業拡大なのか)を確認しましょう。常に求人を出している企業は、人が定着せず慢性的な人手不足に陥っており、結果として一人あたりの残業時間が増大している可能性があります。

6. まとめ

求人票で見かける「残業ほぼなし」という言葉は、一般的に「月の残業時間が10時間未満(1日あたり30分未満)」を意味することが多いです。しかし、法的な定義がない言葉であるため、言葉の響きだけで安易に飛びつくのは危険です。

本当にワークライフバランスを実現するためには、労働基準法における残業の定義や上限規制の知識を持ち、「固定残業代の有無」や「部署ごとの実態」を冷静に見極める視点が必要です。

転職・就職活動の際には、本記事で紹介した見極めポイントやデータを活用し、面接での質問や口コミサイトの調査を通じて、あなたが心身ともに健康で長く働ける企業を見つけてください。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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