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持病は転職活動で伝えるべき?隠すべき?隠すリスクと後悔しない伝え方の正解

持病は転職活動で伝えるべき?隠すべき?隠すリスクと後悔しない伝え方の正解

「転職したいけれど、持病のことは面接で話すべきだろうか…」 「病気のことを伝えたら、それだけで不採用にされてしまうのでは?」

持病(既往歴やメンタル疾患を含む)を抱えながら転職活動を進める際、多くの人がこうした不安や葛藤に直面します。自分の体を守るためにはあらかじめ伝えておきたい一方で、選考に不利に働くことを恐れて「言わない」という選択肢を考えるのも当然のことです。

結論から言うと、持病をすべて正直に打ち明ける必要はありませんが、業務や勤務形態に影響が出る場合は必ず伝える必要があります。

本記事では、持病を「言うべきケース」と「言わないべきケース」の明確な基準、隠したまま入社した際のリスク、そして採用を勝ち取りつつ入社後の配慮を得るための「スマートな伝え方」を徹底解説します。

1. 持病は転職活動で「言うべき」か「言わないべき」か

転職活動における持病の告知義務について、日本の法律(労働基準法や職業安定法など)では「応募者はすべての健康状態を企業に開示しなければならない」という一律の義務は定められていません。厚生労働省のガイドラインでも、業務に直接関係のない個人情報を必要以上に収集することは制限されています。

つまり、基本的には「言いたくないことは言わなくてよい」というのが大前提です。

しかし、実際のビジネスの現場では、そう単純にはいきません。入社後に「聞いていた話と違う」「この体調では業務を任せられない」といったトラブルを防ぐためには、以下の図のような切り分けが必要になります。

【判断基準】持病を伝えるかどうかのフローチャート

業務・勤務への影響度伝えるべきか?理由・対応方針
影響あり
(通院、残業NG、業務制限など)
必ず言うべき入社後のトラブル防止、必要な配慮(合理的配慮)を受けるため。
影響なし
(完治、薬でコントロール可能など)
言う必要はない業務遂行能力に問題がないため、選考への影響を考慮して伏せてよい。

このように、「持病があるかないか」ではなく、「その持病が仕事に影響を与えるかどうか」が最大の分岐点となります。

2. 持病を「言うべき」4つのケース

では、具体的にどのような状況であれば「言うべき」と判断すればよいのでしょうか。以下の4つのケースに該当する場合は、選考中(特に面接の後半や内定承諾前)に企業側へ伝えておく必要があります。

① 定期的な通院や平日の休みが必要な場合

持病の治療のために、月に数回平日に病院へ行く必要がある、あるいは特定の曜日は早退しなければならないといったケースです。

有給休暇が私傷病の通院だけで消化されてしまうリスクを避けるためや、入社直後からシフトの調整・時短勤務の希望を出す必要がある場合は、事前に伝えておかないと周囲の理解を得られにくくなります。

② 残業、深夜労働、休日出勤ができない場合

例えば、「心疾患や糖尿病などのコントロールのため、規則正しい生活(睡眠)が不可欠であり、残業や夜勤ができない」「特定の治療薬の副作用で、朝の早い時間帯の勤務が難しい」といったケースです。

求人票に「月平均残業20時間」と書かれている職場であれば、企業側は当然それだけの稼働を期待して採用します。入社後に「実は残業ができません」となると、チーム全体の業務バランスが崩れてしまうため、事前の開示が必要です。

③ 業務内容に明確な制限がある場合

身体的な理由やメンタルの状況により、特定の業務ができない場合です。

  • 「腰痛(ヘルニア)があるため、10kg以上の重い荷物を持つ作業はできない」
  • 「過去のパニック障害の影響で、閉所での作業や公共交通機関を使った長距離の出張が難しい」
  • 「アレルギーがあるため、特定の化学物質や食材を扱う現場には入れない」こうした制限は、配属部署の決定や業務の割り振りに直結するため、企業側にとっても極めて重要な情報です。

④ 企業の健康診断や面接で直接質問された場合

応募書類や面接の中で、企業側から「現在の健康状態について、業務に支障があるような持病はありますか?」と直接質問された場合、嘘をついてはいけません。

事実と異なる回答をすることは「経歴詐称」や「信義則違反」とみなされる可能性があり、後述する解雇や懲戒のリスクを孕むことになります。

3. 持病を「言わないべき(言う必要がない)」2つのケース

一方で、持病があっても企業側に伝える必要性が低い、あるいは「言わない方がスムーズ」なケースも存在します。

① 業務や勤務形態に一切の影響がない場合

「持病はあるが、薬を毎日飲んでいれば完全にコントロールできており、一般的な人と全く同じように残業も出張もこなせる」という場合です。

例えば、軽度の高血圧や高コレステロール血症、アトピー性皮膚炎などで、私生活や仕事に制限がないのであれば、あえて選考段階で申告する必要はありません。企業側も「業務が通常通りできるか」を重視しているため、影響がない健康上のプライバシーまで踏み込む必要はないのです。

② すでに完治(寛解)しており、再発の可能性が極めて低い場合

過去に大きな大病を患ったり、うつ病などのメンタル疾患を経験したりしていても、現在は完全に治癒(または寛解)しており、医師から「就労制限なし」の診断が出ている場合です。

日本の採用市場では、残念ながら「過去の病歴」に対して過剰に警戒してしまう企業が少なからず存在します。現在、健康状態に全く問題がないのであれば、過去の履歴をわざわざ掘り起こして選考のハードルを自ら上げる必要はありません。

4. 持病を隠して転職する3つの大きなリスク

「言わなければバレないだろう」「入社してしまえばこっちのもの」と考えて、業務に影響がある持病を隠したまま入社することには、極めて高いリスクが伴います。

リスク1:体調を崩して再発・悪化する

最も恐ろしいのは、自分自身の健康を害することです。「周りと同じように働かなければならない」というプレッシャーから、無理な残業や休日出勤を断れず、結果として持病が悪化したり、メンタルを再度病んでしまったりするケースが後を絶ちません。せっかく転職に成功しても、数ヶ月で働けなくなってしまっては元も子もありません。

リスク2:企業や同僚からの信頼を失う

入社後に、通院のための度重なる欠勤や、業務がこなせない事実が発覚した場合、「なぜ面接で言ってくれなかったのか」と会社側は不信感を抱きます。

特に、周囲の社員に急な業務のシワ寄せが行くことになれば、職場での人間関係や居心地は急速に悪化してしまいます。正当な配慮を受けるためにも、信頼関係は不可欠です。

リスク3:懲戒処分や内定取消・解雇の対象になる可能性がある

多くの企業の就業規則には、「採用時の提出書類や面接での回答に虚偽があった場合、懲戒解雇等の処分を行う」といった旨が記載されています。

業務に重大な支障をきたす持病を意図的に隠し、面接で「健康状態に問題はない」と明言していた場合、虚偽申告(経歴詐称)として扱われ、最悪の場合は内定取消や解雇、あるいは自己都合退職を促される法的リスクが発生します。

5. 採用率を下げない!面接での上手な「伝え方」と例文

持病を伝える必要があると分かっていても、「伝え方」を間違えると、企業側から「扱いが難しそうな人だ」と敬遠されてしまいます。

面接で持病を伝える際の鉄則は、「病名や大変さをアピールするのではなく、現在の状態と、仕事をする上での具体的な影響(配慮してほしいこと)を客観的に伝えること」です。

以下の3つのステップを意識して伝えると、企業側も安心しやすくなります。

  1. 現在の状況(コントロールできていること)を伝える
  2. 業務上で必要な「具体的な配慮」を1〜2点に絞って提示する
  3. その配慮さえあれば、どのように会社に貢献できるかをポジティブに結ぶ

状況別の面接回答例文

例文①:定期的な通院が必要な場合(糖尿病、膠原病、定期検査など)

「私の健康状態について1点お伝えしたいことがございます。現在、〇〇(病名/または持病)の治療のため、月に1回、平日の午後に通院をしております。

日常の業務や体力面には一切影響はなく、薬で完全にコントロールできている状態です。入社後は、有給休暇や時間休を上手に活用させていただくか、可能であればその日だけ勤務時間をシフトさせていただくなどのご相談をさせていただけますと幸いです。

それ以外の日は残業も含めて通常通り稼働できますので、前職での〇〇の経験を活かし、御社の売上に貢献したいと考えております。」

  • ポイント: 「仕事には影響がない」ことを強調しつつ、通院の頻度と必要な配慮(時間休の取得など)を具体的に提示しているため、企業側も受け入れのイメージが湧きやすくなります。

例文②:過去にメンタル疾患(うつ病など)を患い、現在は寛解している場合

「過去に過度な労働が重なり、軽度のうつ病を患った時期がございます。しかし、その後は休職と適切な治療を経て、現在は主治医からも『通常勤務に全く支障はない』との診断を受けており、完全に寛解しております。

前職の直近1年間も、欠勤することなくフルタイムで勤務を継続しておりました。自己管理の重要性を学び、現在は体調を崩す前にコントロールできるようになっておりますので、御社でも安心して業務をお任せいただければと思います。」

  • ポイント: メンタル疾患を伝える場合は、必ず「現在は就労可能であるという医師の判断」と「直近の就労実績(普通に働けていた事実)」をセットで伝えると、企業側の不安を大幅に軽減できます。

例文③:身体的な理由で一部の業務に制限がある場合(腰痛、肢体不自由など)

「私は数年前に腰を痛めており、日常生活には全く支障がないのですが、10kgを超えるような重い荷物を日常的に運ぶ作業にだけ制限がございます。

デスクワークや立ち仕事、顧客対応などの業務は全く問題なく行うことができます。もし御社の業務の中で、突発的に重い資材の搬入などが発生した際のみ、周囲の方にサポートをいただくか、別の形での役割分担をご相談させていただけますと幸いです。その分、私の得意とする〇〇の業務でチームを牽引し、貢献いたします。」

  • ポイント: 「何ができて、何ができないか」の境界線を明確にすることで、企業側は「その業務だけ他の人に振れば問題ないな」と前向きに検討できるようになります。

6. 企業側が本当に知りたい「2つのポイント」

面接官に持病の話をするとき、彼らが頭の中で何を考えているかを知っておくと、より適切なアプローチができます。企業側が恐れているのは、応募者の病気そのものではなく、主に以下の2点です。

企業側のホンネ:
①「入社しても、すぐにまた休職や退職をしてしまわないか?」
②「周囲の社員に、過度な業務負担やマネジメントの負荷がかからないか?」

面接官は「医学の専門家」ではないため、病名(例えば「〇〇症候群です」など)だけを言われても、どの程度大変なのか、どう接すればいいのかが分かりません。

そのため、応募者の口から「〇〇という配慮さえあれば、他の社員と同じパフォーマンスを発揮できます」という具体的なラインを示してもらうことを待っています。このポイントを先回りして説明できる応募者は、「自己管理能力が高く、誠実な人だ」というポジティブな評価に繋がることも少なくありません。

7. まとめ:自分の体とキャリアを両立させる転職を

持病を抱えながらの転職活動は、人一倍の不安やストレスが伴うものです。しかし、「持病がある=採用されない」というのは大きな誤解です。現代の企業は、ダイバーシティ(多様性)の推進や、働き方改革の文脈からも、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を受け入れる土壌が整いつつあります。

最後に、持病と転職活動の付き合い方について、重要なポイントを振り返りましょう。

  • 仕事(業務内容・勤務時間・通院)に影響があるなら、選考中に必ず伝える
  • 仕事に全く影響がない、あるいは完治しているなら、あえて言わなくてOK
  • 伝えるときは「病気の解説」ではなく、「必要な配慮」と「できること」を客観的に話す
  • 嘘をついて入社すると、体調悪化や経歴詐称のリスクを背負うことになる

一番避けるべきなのは、内定欲しさに無理をして、入社後に体がボロボロになってしまうことです。あなた自身の健康を守り、長く安心して活躍できる職場を見つけるためにも、必要な情報は誠実に、かつスマートに伝えて、お互いに納得のいく転職活動を進めていきましょう。

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この記事の著者

転職ノウハウなら!ジョブジョブ編集部

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